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「ブラジルは永久にW杯優勝できない」クロアチアに負けて激辛批判「なぜネイマールに…」“メッシで4強”アルゼンチンはニヤニヤ
posted2022/12/11 17:12
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
「セレソン(ブラジル代表)は傲慢だった。何が優勝候補だ、何が世界ランキング1位だ。トロフィーを取ってから偉そうなことを言え」
「チッチ監督は、多くのミスを犯した。すでに引退したも同然の(39歳の)ダニエル・アウベスを招集した。そのため、左サイドバックが(故障で)いなくなると右サイドバックのダニーロを左へ入れ、右にアウベスではなくCBのエデ-ル・ミリトンを入れるはめになった」
「クロアチア戦では90分で1点も取れず、延長に入って1点取って逃げ切ろうとして追いつかれた。1点を守るのではなく、2点目、3点目を取りにいくのが我々のフットボールの伝統なのに…。PK戦になった時点で、もう負けていた」(以上、情報番組「ブラジル・ウルジェンチ」の司会者ダテーナ)
◇ ◇ ◇
「チッチ、お前はブラジルの恥だ。世界で一番PKを蹴るのがうまいネイマールにPKを蹴らせないまま敗れた。どうして最初に蹴らせなかったんだ」
「そもそも、奴をセレソンの監督にしたのが間違いだった。お前はブラジル代表史上、最低の監督だ。ブラジルへ帰ってくるな」(以上、元ブラジル代表MFの評論家で、フットボール番組の司会を務めるネット)
インターネット上にも、ファンの怒りの声が溢れた。
「ブラジルは、もう20年、5大会も優勝していない。このままでは永久に優勝できない」
「欧州でプレーして大金を稼いでいる選手たちには、国のために死に物狂いでプレーする気持ちなんかないんだ」
「人口400万人余りの小国クロアチアに、2億2000万人のブラジルが負けた。情けない。何がフットボール王国だ」
セルジオ越後さんの言葉すら“甘口”レベル
ブラジル人にとって、「W杯で勝つ」とは1試合や2試合に勝つことでなく、優勝することを意味する。目指すのは優勝だけ。それ以外の結果はすべて失敗とみなされる。「夢と感動をありがとう」とは誰も言わない。敗退を残念がったり悔しがる以上に、目の色を変えて怒り、痛罵する。
日本では日系ブラジル人のセルジオ越後さんが“毒舌評論家”と言われているようだが、ブラジルでは越後さんより辛辣な評論家やファンなどいくらでもいる。
とはいえ、試合前、ブラジルメディアと国民の大半はクロアチアにさほど苦労することなく勝つと考えていた節がある。