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「自分が蹴るべきだったのか…」三笘薫が“涙のPK”で背負い込んだ責任と後悔…29歳で迎える4年後は「チームを勝たせる存在に」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/12/06 17:29
PK戦までもつれ込んだクロアチアとの決勝トーナメント1回戦。三笘薫のキックはGKドミニク・リバコビッチにストップされた
「長友さん含め、つないできたところなので、それを受け継ぐ形になって、受け継ぐ覚悟ができていたから(キッカーの)手をあげたんですけど……頑張りたいと思います、ここから」
頑張りたいという言葉が連想させる力強さは、残念ながら込められていない。取材に応じている間ずっと、三笘は俯き加減だ。
「チームを勝たせたい気持ちを毎試合持ってやっているので、いつも通りの気持ちで入りましたし……覚悟を持っていたつもりだったんですけど、ちょっと足りなかったのかなと感じてます」
「チームを勝たせる存在に」4年後への覚悟
日本のベスト16敗退は、2大会連続4度目となる。「ベスト8の壁」が、またしても立ちはだかった。
「ここからがやっぱり大きな、というのは」と三笘は切り出し、「僕が言えないですけど、それは」とすぐに言い添える。彼の胸のなかでは、敗戦の責任がどんどんと大きくなっているようだ。
それでも、どうにか客観的な視点に立って質問に答える。
「試合を通して、中へ入っても強いなと感じましたし、自分たちがそう思われるような戦い方をしていかないといけないと、この大会を通して感じました」
大会からの撤退が決まった試合後には、お決まりの質問がある。4年後への決意だ。4年後は29歳で迎える。チームの中心となるべき立場だろう。テレビのインタビューでは感情が乱れてしまったが、ここでは間を置かずに答えた。
「チームを勝たせる存在にならないといけない。W杯で活躍できる選手がいい選手だと思いますし、ベスト8に勝ち抜ける選手だと思います」
グループステージ突破の立役者のひとりは、どこまでも自分を責めた。チームが目標を達成できなかったのだから、悔しくて、悲しくて、やるせないだろう。だが、クロアチア戦の直後に感じたこの思いは、4年後を目指す何よりの原動力になる。どんなに苦しくても、つらくても、逃げ出したくなっても、2022年12月5日の自分を思い返せば、三笘は前を向いていけるはずだ。
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