言うまでもなく、ドイツの視野にあるのはブンデスリーガの日本人選手たちだけではない。

　モナコの南野拓実のポテンシャルについては、最近の調子があまり良くなかったとしても、知られている。そしてアーセナルの冨安健洋については、何も余計な言葉はいらないだろう。世界最強のリーグでプレーすることができるディフェンダーであれば、ドイツの攻撃陣に厳しい試練を与えることができるだろう。

　それでもチーム全体と個々の選手を見れば、ドイツが有利なことに変わりない。しかし“ダビデ”の日本も、良い日には、“ゴリアテ”を痛めつけることのできる手段を持っていると思う。ひょっとするとサプライズを起こすような気もする……最終的にドイツが勝者としてピッチを去るとしても、選手たちに一抹の安堵感が伴うのは間違いない。それはおそらくベルント・ノイエンドルフ連盟会長にしてもそうだろう。

　最後に、戦い方をプレビューしよう。おそらくハンジ・フリック（ドイツ代表監督）は最初からドミナンスを見せるつもりだと思う。つまり、高い位置でのプレッシング、早い時間帯に日本エリアでボールを奪って、短時間でゴールへの道を探すはずだ。

ドイツ代表で10番を託されるセルジュ・ニャブリ。新しいヘアスタイルでも話題を集めている　©︎Getty Images

　それで日本がロングボールを使ってくるようであれば、その反応として、ドイツは引いてカウンターを仕掛けるだろう。特にスピードのあるウィングのストライカー、ニャブリのいるサイドから。それは今季もその前もバイエルンで何度もやってきたことだ。大事な初戦は、W杯で頂点を目指すドイツにとっても落としたくない一戦である。

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