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「闘うカマダはモドリッチのよう」「ヨシダは弱点になるかも」ドイツが警戒する日本人選手はだれ? ブンデス記者のリアルな森保ジャパン評
text by
ティエモ・ミュラーTHIEMO MÜLLER
photograph byItaru Chiba
posted2022/11/23 11:00
ブンデスリーガを20年以上取材するドイツ人記者が日本戦をプレビュー。鎌田大地(右)への警戒心が高い一方で、リーグで苦しむ吉田麻也(左)は厳しい評価に
この数字をさらに引き立てるのは、鎌田は攻撃だけに焦点を当てるのではなく、本物の完璧なミッドフィールダーに熟成しているということである。ボランチの1枚としてプレーすることも多いし、精緻なテクニシャンながら天才的なパスや得点力を犠牲にすることなく、闘うこと・削りに行くことも学んだ。選手のタイプとしては、ルカ・モドリッチやイルカイ・ギュンドアンのスタイルの「クオーターバック」に似ている。
キッカー誌でのパフォーマンス採点の平均は2.55点(1点が最高)。GKを含めてブンデスリーガ最高である。
遠藤航が不在なら大きなアドバンテージ
鎌田の陰に隠れているとはいえ、シュツットガルトの遠藤航と伊藤洋輝へのリスペクトも大きい。特にキャプテンである遠藤は真のトップパフォーマーであり、あのチームは彼なしでは考えられない。ブンデスリーガのエキスパートの誰もが彼のクオリティーを確信している。
戦術的に強く、器用で、守備的に考える6番。だからチームのバランスを保証できる。遠藤は一見、個人としては目立たない。しかし少し良く見さえすれば、彼のゲームインテリジェンスと、それだからこそのチームでの重要性は見逃すことができないことがわかる。脳震盪の後で初戦に間に合わないとしたら、それはドイツから見れば大きなアドバンテージになるに違いない。
昨シーズン最終節のケルン戦、遠藤は歴史を作った。2−1の決勝点を決めてシュツットガルトを降格から救った。そして、そのアシストをしたのが伊藤洋輝だった。左サイドバック、またはセンターバックとして手堅いプレーを見せている。彼はまだドイツのアタッカーたちに恐れを抱かせる選手だとは言えないが、それで彼のプレーの信頼度が失われるわけではない。あまり目立たないが、それは彼のポジションのせいでもあるだろう。