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カナダに敗戦…「戦術三笘」は森保ジャパンを救えるのか 「中にも入ってくれ、と」三笘薫がプレミアで覚醒+応用が難しい理由

posted2022/11/18 11:02

 
カナダに敗戦…「戦術三笘」は森保ジャパンを救えるのか 「中にも入ってくれ、と」三笘薫がプレミアで覚醒+応用が難しい理由<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

体調不良で代表合流は遅れたが、三笘薫と「戦術三笘」は確実にカタールW杯のキーとなる

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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Kiichi Matsumoto

 発熱により日本代表への合流が遅れたMF三笘薫。コンディションが懸念されるが、敵を圧倒する「個の力」を持つ三笘は、カタールW杯を戦う日本代表のキーマンであることは間違いない。

 所属先のブライトンでは、10月29日の国内リーグ・チェルシー戦から直近3試合で2ゴール、1アシストと大活躍を見せた。W杯が近づくにつれ、ブライトンで調子を一気に上げてきた印象だ。

 では、それまでベンチスタートが続いていた三笘が、突如覚醒した理由は一体どこにあるのだろうか。

 もちろん、三笘自身の成長は大きい。今年7月にブライトンに合流し、8月のプレミアリーグ開幕から約3カ月が経過した。三笘がクラブに慣れ、チームメートも日本代表の特長や活かし方を覚えたことで、自身の力を発揮できる環境が整った。

 さらに、チェルシー戦ではレギュラーCFのダニー・ウェルベックが急病で欠場し、三笘に先発のチャンスがまわってきた運もあった。こうした運を引き寄せることもプレミアリーグを戦う上で大事な要素になるが、三笘によればチェルシー戦の前から「先発組でも練習していた」という。

 しかも、負傷した右足首の痛みが消えず、痛み止めを服用しながらプレーしていることも明かしている。足首の状態が万全ではない中で、覚醒した理由はどこにあるのか。

 主因として真っ先に挙げられるのは、9月に就任したロベルト・デ・ゼルビ監督の存在だ。三笘を先発に抜擢し、自身の戦術に日本代表アタッカーの特性をうまく組み込んだのは、このイタリア人指揮官に他ならない。デ・ゼルビ監督が三笘のストロングポイントをうまく引き出していると言えよう。

「チームとしていいから、自分も特徴を出している」

 実際に三笘自身も、ブライトンの戦術が自身の好調につながっているとの認識を示している。

 三笘にとってW杯開幕前、最後の公式戦となったリーグ杯のアーセナル戦。試合後の取材エリアで「ブライトンで活躍しているが、相当の自信を持って代表に行けるか」と質問が飛んだ。三笘は「いや、そうではなくて」と否定し、次のように言葉をつないだのである。

「やっぱり、チーム(ブライトン)としていいから、自分も特長を出しているだけです。代表になると、まったく変わってくる。出力の部分だったり、役割も変わってきます。ブライトンでやっているままプレーしてしまうと、代表ではうまくいかないとは思っています」

デ・ゼルビの戦術とは?

 デ・ゼルビの就任当初から、三笘が頻繁に口にしているのが「チームとしてビルドアップの形が決まっている」ということ。

【次ページ】 アーセナル守備陣が食いついたところを見逃さず…

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