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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
JFLからJ1に飛び級移籍→クロアチアへ!“50m5秒台”新井晴樹24歳が語る工務店時代「現場を掃除したり、ビラを配ったり…」
text by
長束恭行Yasuyuki Nagatsuka
photograph byYasuyuki Nagatsuka
posted2022/10/22 17:00
クロアチア1部・シベニクに所属する新井晴樹インタビューの前編。写真はシベニク旧市街を一望できる聖バロネ要塞で撮影
「500円で定食を…」寿司屋の大将への感謝
――その中でとりわけ印象に残った人はいますか?
ティアモ時代からお世話になっている枚方市の「冨すし」の大将とおかみさんです。2人はティアモの最初の練習試合を観にきていて、チームメイトに「あの人たちは誰?」と聞くと「晴樹の家の近くでお寿司屋さんを経営するご夫妻だよ」と教えられました。お店を訪れて「ティアモの新井晴樹です」と自己紹介をしたら、「知ってるよ! あの足が速いやつやろ?」「あっ、そうです」と。それが初めての会話でしたね(笑)。「冨すし」はティアモ所属の選手限定で夜に500円で定食を作ってくれたので毎日通っていましたし、セレッソに行ったあとも月に2回は足を運んでいました。
――ご夫妻にクロアチア挑戦を伝えた時はどうでしたか?
急遽決まったことなのでビックリしていましたね。大将はいつも「セレッソでゴールを決めて欲しい」と言っていましたから、セレッソで活躍する僕の姿を見たかったのでしょう。クロアチアでの試合はネットで観てくれていて、試合後にはよくテレビ電話しています。レッドカードをもらった試合後も「それも経験だし、そんなネガティブに考えることじゃないやろ!」と笑っていました。本当にありがたい存在ですよね。
――シベニクのチームに合流して最初の印象はどうでした?
チームメイトはみんな優しいですし、「日本人に対してすごい興味があるな」というのは実感しました。アニメやゲーム、あとは日本車の話題もありましたね。スペイン人FWのブルギは乾さんや香川(真司)さんとも対戦しているので当時の話も出ました。みんなが温かく迎え入れてくれてホッとしましたよ。入団リリースが出た次の日に街中を歩いていると「アライ! アライ!」と声をかけられ、「チーム自体が街から愛されているんだな」と思いました。
――アシスタントコーチのミルコ・フルゴビッチはガンバ大阪やジェフ千葉でプレーしていた選手ですが、彼のサポートはありますか?
僕がクロアチアで言葉に困っているようにミルコも同じ経験を日本でしていて、その時は日本人がとても温かく彼に接して食事とかに連れて行ってくれたそうなんですね。「私もそのようにハルキに振る舞うつもりだ」と言ってくれて本当に嬉しかったです。(サンフレッチェ広島でプレーしたスポーツディレクターの)ダリオ・ダバツも同じです。僕にはとても優しく接してくれるんですよ。
<後編へ続く>