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バルサの「タレント頼みで大雑把な攻撃+脆いDFライン」危機的な不甲斐なさ… “盤石マドリーと明暗くっきりクラシコ”を撮った
posted2022/10/20 17:04
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
〈El clasico〉
伝統の一戦などと訳されるだろうか。
レアル・マドリーとFCバルセロナが戦う、世界中のサッカーファンの注目を集めるこの一戦の撮影に向かった(撮影の様子は【新着写真】からご覧になれます)。
近年、クリスティアーノ・ロナウド対メッシという対立構図で語られることも多く、両者の去った今、クラシコの魅力が減少したという声もある。両者の実績、スター性を考えれば一理あるとも言えなくはないが、もともとクラシコの背景には……
〈フランコ独裁政権時代の中央政府=首都マドリードを拠点とするR・マドリー〉対〈カタルーニャの象徴=バルサ〉という、政治的対立の構図がある。
現地ファンにとって、クラシコの重要性は微塵も変わらない。クラブ以上の存在(選手)はないということだろう。
ダフ屋がすっと近づいてきて「800ユーロ」だと
中国を中心としたアジアマーケットに意識を置いたキックオフ時間である16時15分より2時間前、会場となるサンティアゴ・ベルナベウスタジアムに到着した。
メトロ10番線サンティアゴ・ベルナベウ駅を出ると、この試合のために作られたグッズを並べる出店に迎えられた。
人混みをかき分け、目の前にそびえ立つスタジアムを目指す。すっと近寄ってくるダフ屋が「800ユーロ」(※現在のレートだと約11万7000円だ)と囁いてくる。
事前に調べたオフィシャルのチケット価格は、最安の125ユーロ(約1万8250円)から、高いもので410ユーロ(約6万円)とのことだった。
そしてスタジアム南にある通りはすでに白いユニホームで埋め尽くされていた。
スタジアム内部に足を踏み入れると、リーグ戦ではお目にかかれないほどの、TVクルー、機材がピッチ脇を埋め尽くし、現地からのリポートを届ける姿が目についた。フォトグラファーのポジション争いにもいつも以上にピリピリしたものを感じる。
キックオフまで1時間ほどになった頃、両チームのスターティングイレブンが発表された。両者無敗のまま、得失点差によって首位バルサで迎えたこの一戦だが、チャンピオンズリーグに目を向けると、3勝1分けでグループ首位のマドリーに対し、バルサはバイエルンとインテルに遅れをとり、グループ突破に限りなく赤に近い黄色信号が灯っている。