――セレッソのチームスタイルへの適応はいかがでした？

　いやあ、時間かかりましたね。今まで自分は守備したことがない選手でしたから、「守備ができないと試合にも出られない」と一番感じました。攻撃面は1対1で絶対に勝てますし、自信はありましたけど、やっぱり守備ができないと。

クロアチアへの挑戦「行きたいです、と即答しました」

――JFLからJ1にステップアップするのは実に稀なケースですが、気負いはありましたか？

　セレッソ移籍のリリースが出た瞬間にメディア取材も殺到しましたし、メッセージもたくさん届いたので「影響力はめちゃくちゃ大きいな」と思いましたよ。自信しかありませんでしたから、それでモチベーションはかなり上がりました。JFLの頃は「自分のために」と思っていましたけど、セレッソに加入するとファンの数も圧倒的に多いし、試合を観る人も桁違いに多いので、「自分のために」というよりは「チームのために」「少しでも貢献したいな」という感じになりましたね。

浦和レッズと対戦した2021年10月6日のルヴァンカップ準決勝第1戦　©Etsuo Hara/Getty Images

――その頃も海外挑戦に対する意識は？

　まったく考えていなかったです、はい。

――今年6月にティアモにレンタルバックした上で、クロアチア1部のシベニクへローン移籍が決まったわけですが、その経緯はどうだったのですか？

　セレッソではずっと試合に出られず、ルヴァンカップにも途中交代でしか出られなかったので悩んでいました。4月末から5月頭の頃にティアモから「クロアチアのクラブが、足が速い日本人を探している。とりあえず晴樹がどういう気持ちか知りたい」と尋ねられて、「挑戦します。海外に行けるチャンスはそうそうないので、もちろん行きたいです」と即答しました。まだオファーという形ではなかったので「晴樹のプレー集を作って相手に送ってみる」という流れになりました。

――「クロアチア」と耳にして瞬間に浮かんだイメージは？

　もちろんワールドカップでは準優勝をしていますし、クロアチアリーグはあまり深く知らなかったものの、チームメイトにクロアチア人CBのマテイ・ヨニッチがいたのでディナモ・ザグレブの名前ぐらいは知っていました。しかし、オファーの話は周囲に言えなかったので彼にも隠していたんですよ。親にも相談することなく、ティアモから「オファーが正式に届いた。晴樹、どうする？」と電話で尋ねられた時には「行きます」と答えました。環境を変えることはとても大事だと思っていましたから。

――あくまでポジティブに海外移籍を捉えたわけですね。

　心配は全然してなかったです。英語を話せないことはちょっと不安でしたけど、特にサッカー面の不安はなかったですね。出国までにはお世話になった人にいろいろ会いました。

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