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「巨人以外に浅野翔吾を1位指名するのはどこ?」「ヤクルト1位&2位指名は先発ピッチャー候補」ドラフト全指名予想《DeNA・オリ・ヤクルト編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2022/10/19 11:07
ドラフト目玉候補の吉村貢司郎投手(東芝・183cm85kg)
ヤクルト1位&2位指名は“先発ピッチャー候補”
【ヤクルト 2022年ひとりドラフト指名選手】
1位 吉村貢司郎 24歳 投手 東芝 183cm85kg 右投右打
2位 小孫竜二 25歳 投手 鷺宮製作所 179cm85kg 右投右打
3位 伊原陵人 22歳 投手 大阪商業大 170cm72kg 左投左打
4位 上甲凌大 21歳 捕手 IL・愛媛 184cm90kg 右投左打
5位 福永裕基 26歳 三塁手 日本新薬 180cm83kg 右投右打
6位 坂本拓己 18歳 投手 知内高 180cm85kg 左投左打
【ヤクルト 総評】
プロ野球最年少三冠王に輝いた村上宗隆を牽引車とする強力打線と、叩き上げの安定感を持つリリーフ投手陣。セ・リーグ連覇の理由はわりと明確に見えているようで、来季の「3連覇」に向かう補強ポイントは「先発投手陣にもう一枚、二枚」。
そこがまず、最優先ではないか。昨年9勝(4敗)の奥川恭伸のカムバックは織り込み済みといきたいが、さてどうなるか? 昨年の日本シリーズ初戦、先発のマウンドでオリックス・山本由伸を向こうにまわして、7回1失点の痛快大奮投が忘れられない。
そこで、「万が一」を想定してのドラフトとなった。
1位入札の読み上げで、最初の日本ハムから、いきなり「吉村貢司郎・東芝」となったから、いったい何チームが……と体を硬直させながら聞いていたが、なんとか2球団で済んでホッとしたものだ。
2位指名が、ウェーバー順で最後の12球団目。24人目の選手になるから、なんとか1位・吉村貢司郎を……と祈っていたら、願ったりかなったり。
強く投げようとし過ぎないメカニズムが、まず先発向き。それでも、140キロぐらいの力感から、10キロ増しぐらいの速球のホップ成分が強烈。110キロほどのタテのカーブに、ツーシーム、フォークが140キロ近くて、すでに「プロ一軍」のコンビネーションだ。
スワローズ好みの欠点の少ないオーソドックスなオーバーハンド。中継ぎエース・清水昇の國學院大の後輩にあたる。チームになじむのも早いだろう。
リリーフ陣に力でねじ伏せられるパワーピッチャーを!ということで、昨年は3位で柴田大地を獲得したが、まだなかなか……ということで、2位に小孫竜二(鷺宮製作所)でもうワンプッシュだ。
短いイニングなら、150キロ前後の剛速球と、フォークなのかチェンジアップなのか、沈む系を交えて、今年は公式戦でも好投を繰り返している。
数日前、「中日の繰り上げ1位」というウワサが流れ、まさか1位は……と思ったが、ウェーバー2番目の中日なら2位でも獲れる。ダメもとでリストに残しておいたが、「24人目」で獲れるとは。やはりドラフトは、やってみなくちゃわからない。
4位指名は独立リーグの“長身キャッチャー”
折り返しの3巡目は、いの一番の指名だ。左腕の中継ぎを、田口麗斗に加えて、もう一枚。3位・伊原陵人(大阪商業大)は、体は小さくても打者と闘えるファイティングスピリットが光るヤツだ。右打者にも、左打者にも、果敢にふところを突ける技術とハート、強い速球とスライダー、ツーシームを持つ。