今季もとっかえひっかえの「二塁手」に、3位で山田健太（立教大）だ。

　本来なら、1位に相当する選手だろう。いや、その素質と大阪桐蔭高当時のキャリアだったら、「誰が見ても1位」……それぐらいの選手になっていなければいけない選手だ。ずっと期待して見ている者にとっては、ちょっとさみしい3位指名だ。

　ふんどしを締め直して……最低でも、それぐらいの覚悟は必要だろう。プロでは、「用意されたポジション」など、ありはしない。

　今季、春・夏の甲子園合わせて7試合、見れば見るほど腕を上げてきているなぁ……と思っていた聖光学院高・山浅龍之介。4位で指名した。

　大阪桐蔭高・松尾汐恩のような、シュッとした今風の捕手じゃない。土と汗に汚れたユニフォームが似合いそうな「昭和の香り」の捕手である。

　見るからに心身屈強、根性ありそうな面構え。ムダのないアクションから二塁ベースドンピシャストライクの盗塁阻止能力。際のボールを、きちっとミットを止めて捕球できる球審に寄りそったキャッチング。「甲子園」で見せたセンターから右中間へ弾丸ライナーを飛ばせる打撃の筋の良さ。個人的には、昨年の市立和歌山高・松川虎生（現・ロッテ）と同じぐらい自信を持って推せる捕手だ。

　5位・藤井健平（NTT西日本）。昨年のドラフトで、当然指名ありと考えていたが、名前が挙がらなかった。私が楽しみな個性だと思っていた「破れかぶれ」にも見える大胆なフルスイングや球際の体当たりプレーが、いろいろ訊いてみると、プロの目には「粗雑なプレー」に映ったからだったようだ。

　それでも、ライトから無限に伸びていくような鉄砲肩と、あっという間に二塁、三塁の爆走は今年も健在だ。少々粗っぽくても、まともに当たった時の飛距離と打球スピードは、吉田正尚だってビックリだろう。「プロ」という舞台がいちばん似合う野球職人だと見ている。

　6位・三塚琉生（桐生一高）は、ピッチングで140キロ前半のパワーを誇り投打に超高校級だ。最後の夏は、厳重警戒で誘い球ばかりの中、数少ない甘い失投を、彼らしい打球スピードでライトスタンドに放り込み、集中力と精度の高さを証明してみせた。1、2番タイプひしめくヤング・オリックスに「大砲候補」が注入される。 

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