スタメン落ち→首位打者…大学時代とこれから

　根尾と藤原、柿木、横川凱のプロ入りに触発された青地は、「まだまだ頑張らないと」と新たな覚悟を持って同志社大に進んだ。

　1年からベンチ入りはしたが、「春夏連覇をした大阪桐蔭のレギュラー」という看板に恥じぬよう、「周りが望むプレーをしないと」と、どこか背伸びしている自分がいた。

　結果を出せず、また無理をする。そんな悪循環のなか2年が過ぎ、監督が花野巧に代わった3年春にはスタメンから外された。

「2年まではちょっとプライドが邪魔をしていたと言いますか、注目していただいていたことに驕っていた部分もあって。3年の春に1回もスタメンで出ずに終わって気づきました。『秋にホンマにやれへんかったら、ダメやったら野球人生終わりやな』って」

　3年の秋。青地は関西学生リーグ新記録となる打率5割2分をマークし、首位打者に輝いた。4年となった今年は、キャプテンとしてもチームを牽引した。「みんなからも助けてもらっているんで楽しいですよ」と、青地はいつも笑顔を見せる。大学卒業後は社会人野球でさらに腕を磨くのだという。

　インタビューが終わり、ポートレートの撮影をお願いすると、こちらがリクエストせずとも自然と白い歯がこぼれる。

――あえて真剣な表情を。

「いやぁ、そんなこと言われることってないんで、できるかなぁ……」

　凛々しい顔を作る。だが、すぐに「やっぱダメだ！」と笑いだす。

　やっぱり青地は、そのほうが似合う。〈つづく〉

#4に続く

4年前、大阪桐蔭“最強世代の1番バッター”はなぜ笑わなかったのか？「“無”になりました」「根尾とか藤原の陰にうまく隠れられた」

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