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「ドラフト上位有力」元大阪桐蔭・山田健太に聞く…根尾昂ら“同期のドラフト指名”からの4年、何があった?「2年生の時は迷走しました」
posted2022/10/17 11:02
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Genki Taguchi
2018年、大阪桐蔭は高校野球史上初となる2度目の春夏連覇を果たした。根尾昂、藤原恭大、柿木蓮、横川凱の4人が高卒プロ入りした最強世代――。当時レギュラーメンバーの証言から、チームの実像に迫る短期連載「大阪桐蔭・最強世代のリアル」。第5回は、セカンドで活躍した、現ドラフト候補・山田健太(立教大)が明かす。(全8回の#6/#5へ)
2018年世代の「再会」
回せ、回せ。
ネクストバッターズサークルで控えていた立教大の山田健太は、願うように唱えていた。
8月1日に開催された、U-23NPB選抜と大学・社会人選抜によるプロアマ交流試合。NPB選抜の先発マウンドには中日の根尾昂が上がっている。山田にとっては、大阪桐蔭時代の盟友との対戦を切望するのは当然だった。「1イニングのみ」の登板と事前に聞いており、4番バッターで出場していた自分が初回に打席に立つには、最低でもひとりには出塁してもらわなければならなかった。
結局、根尾が大学・社会人選抜を三者凡退に抑えたため、対決は実現しなかった。
「いやぁ、立ちたかったですね。先発だったんでもう少し投げてほしかったですけど」
試合後、根尾のピッチングをねぎらいながら、冗談めかして本音を投げかける。
「フォアボール出せよ!」
根尾もすかさず応戦する。
「それはさすがに無理!」
この試合、NPB選抜には根尾のほかにロッテの藤原恭大も「1番・センター」で出場し、2安打1得点と打線をリードした。ふたりと山田は、大阪桐蔭で2018年に高校野球史上初となる2度目の春夏連覇を果たし、「世代最強」と呼ばれた。そのなかで、根尾と藤原はチームの象徴でもあった。