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「お手紙がないと成り立たないので…」羽生結弦と町田樹を愛する“異色のアナウンサー”が語る「ラジオでフィギュアを届ける意味」
posted2022/08/31 11:02
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Tomosuke Imai
ラジオNIKKEIのアナウンサーであり、圧倒的な好評を博した『こだわりセットリスト・特別編~羽生結弦選手特集』を企画し作り上げた藤原菜々花は、幼少の頃からフィギュアスケートを観てきた。
「母がフィギュアスケートをすごく好きだったので、試合のときは絶対にテレビで流れていて、物心ついた頃から観るのは習慣になっていました」
2005年のグランプリファイナルで優勝した浅田真央に、「かわいい衣装を着て、こんなにきれいに滑る人がいるんだと思いました。クラシックバレエを習っていて近いものを感じて」、さらにフィギュアスケートとの距離が近づいた。その中で応援する選手たちが生まれた。
「中野友加里選手は好きでした。女性らしい演技で、しなやかな動きが好きでした。鈴木明子選手も感情的な滑りで、観るといつも涙腺がうるうるしてしまう選手で、好きでしたね」
町田樹は「氷上のバレリーナ」みたいだった
やがて羽生結弦を知り、そしてもう1人、強く惹かれた選手がいた。町田樹だった。
「初めて会場で見たアイスショーは2013年の『メダリスト・オン・アイス』です。全日本選手権の翌日ですね。そこで町田選手を見たとき、氷上でものすごいオーラだったんですね。今まで生きてきた中でいちばんオーラを感じたのが町田選手じゃないかなというくらい、体のまわりに何かまとっているかのようなオーラを感じて」
スケーターとしての魅力をこう語る。
「氷上のバレリーナみたいな方だなと思っていて、バレエの中で主役を張るプリンシパルのような雰囲気がありました。ファンは『町田沼は深い』とよく表現するんですけど、知れば知るほどどんどん好きになっていってしまうスケーターというか、町田選手が滑るとすべてを忘れて演技に集中してしまう、引き込まれるスケーターだと思っていました。競技ではできない、10分間とかものすごい長いプログラムを滑られたり、『Je te veux』での、それこそ紳士の魅力たっぷりなプログラムだったり、素敵だなと感じていました」