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「羽生選手が心のよりどころでした」好きすぎて“羽生結弦特集”の番組を企画したアナウンサーが学んだ“諦めない姿”「人生のバイブルです」
posted2022/08/31 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
L)JMPA、R)Tomosuke Imai
今年の5月に放送され話題を集めたラジオ番組『こだわりセットリスト・特別編~羽生結弦選手特集』(ラジオNIKKEI)。羽生がプログラムで使用した曲によって構成した番組は異例の反響を呼び、7月の再放送でも同じく多大な関心を集めた。番組を自ら企画し出演したアナウンサーの藤原菜々花に、「人生のバイブル」だと語る羽生結弦という存在について聞いた。<全3回の2回目/#3につづく>
『こだわりセットリスト・特別編~羽生結弦選手特集』を企画から手がけ、異例とも言える反響を呼ぶ成功へと導いたラジオNIKKEIアナウンサー、藤原菜々花が羽生結弦に惹かれたきっかけは、2013年10月にあった。
「俗の世界から離れた美しさを…」
当時高校生だった藤原は、登校前に朝食をとりながらグランプリシリーズ・スケートカナダの中継を観ていた。そのとき、目に留まったのが羽生だった。
「フリープログラムの『ロミオとジュリエット』を滑っていて、『なんてきれいなんだろう、すごいきれい』と思いました。食パンを食べている手がぴたっと止まって。4分半、画面に吸い込まれるんじゃないかというくらい、観ていました。妖精が滑っているような、俗の世界から離れた美しさを秘めた存在というか」
羽生に惹かれると、来歴をたどっていった。「その中でどんどんファンになっていきました」。
以来、折々の光景が心に焼き付いた。
「いろいろ調べる中で、小さい頃から、自分は金メダルを獲るんだ、1個じゃなくて2個獲る、自分の年齢を考えると1個目はソチとおっしゃっていたのを知りました。初めて誰かの夢がかなう瞬間を観たというか、夢がかなうのってこんなに美しいのか、こんなに感動するんだなと思ったのがソチオリンピックでした」