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「亮、待っています」中村憲剛が前十字靭帯断裂の宮市亮に送るエール…E-1得点王&MVPの相馬勇紀は「覚悟のレベルが高かった」 

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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posted2022/08/10 17:01

「亮、待っています」中村憲剛が前十字靭帯断裂の宮市亮に送るエール…E-1得点王&MVPの相馬勇紀は「覚悟のレベルが高かった」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

E-1選手権で右膝前十字靭帯断裂の大怪我を負った宮市亮に、かつて日本代表で共闘した中村憲剛氏がエールを送った

注目に値するMVP相馬勇紀の「ファーストプレー」

 話をE-1選手権に戻します。

 多くの選手がインパクトを残しましたが、まず触れるべきは大会MVPにも輝いた相馬勇紀でしょう。彼のプレーからは、色々な意味で覚悟を感じましたし、「何が何でも次へ」という思いを見せてくれました。

 香港戦では開始早々に直接FKを蹴り込みましたが、実はその前のファーストプレーが良かった。プレスでボールを奪って、FKを獲得する流れを作っていたのです。そして、FKを決めてみせた。チーム全体がグッと前のめりになるきっかけというか、大会優勝へ向けてチームを勢いに乗せたのは、間違いなく相馬のあのプレーでした。

 今回のE-1選手権のメンバーに選ばれたフィールドプレーヤーで、東京五輪に出場しているのは相馬ひとりです。オーバーエイジとして出場した吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航をはじめ、五輪世代で日本代表に選出されている選手たちとともに戦い、彼らがW杯アジア最終予選でどうなっていったのかを、相馬はチームの外側から見てきた。悔しさをかみ殺した場面もあったでしょうし、純粋にすごいなと感じることもあったかもしれない。

 いずれにせよ、「E-1選手権でこれまで以上にやらないと、日本代表には残れない」という線引きが明確になっていたと思います。海外組を含めた日本代表の現在地を「可視化」できていたからこそ、覚悟のレベルが他の選手より高かったのではないでしょうか。

 とくに守備の強度と迫力は、意識していたと思います。それについては、名古屋グランパスでウイングバックとしてプレーしていることがプラスに働いたと思います。

 ウイングは攻撃がメインになりますが、ウイングバックは名前の通りサイドの攻守両面をひとりで担います。昨シーズン、ベルギーのユニオン・サンジロワーズでプレーした三笘薫が、ウイングバック起用で守備力を磨いていったのと似ていますね。東京五輪の当時よりも、プレーの幅が広がったことを印象づけました。<後編へ続く>

#2に続く
中村憲剛が「9月の欧州遠征で見てみたい」と語る “国内組の選手”とは?「藤田譲瑠チマと岩田智輝はセットで呼んでもいいのでは」

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