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“ポスト木村沙織”と呼ばれた古賀紗理那へ「本当に頼もしい。でも、驚きはないかな」キャプテンの重圧を知る元エースが期待する理由とは?

posted2022/07/25 11:00

 
 “ポスト木村沙織”と呼ばれた古賀紗理那へ「本当に頼もしい。でも、驚きはないかな」キャプテンの重圧を知る元エースが期待する理由とは?<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

銅メダルを獲得したロンドン五輪から10年、かつて自身も経験した“代表キャプテン”として奮闘する古賀紗理那へエールを送った木村沙織

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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Shigeki Yamamoto

5年ぶりに代表監督に就任した眞鍋政義の下、2024年パリ五輪に向けて新たなスタートを切った女子バレーボール日本代表。そんな現在のチームに「純粋に楽しみです」と期待を寄せるのは、12年ロンドン大会で28年ぶりの五輪メダル獲得に貢献した木村沙織だ。あれから10年、バレーボール界の顔だったスーパーエースは、どんな毎日を過ごしているのか。全3回の1回目(#2#3へ)

 東京五輪から1年が過ぎようとしている2022年、夏。

 さかのぼれば、あの夏からは10年が過ぎた。

「ロンドン(五輪)からもう10年か。早いですね。当時のメンバーには最近も会う機会があったし、集まれば何も変わらない気がするけれど、10年と聞くとびっくり。あっという間でした」

 2012年の夏は、ユニフォーム姿でショートカット。まぎれもなく、木村沙織は名実ともに日本の“エース”として活躍し、28年ぶりとなる銅メダルをもたらす原動力となった。

 年月が過ぎた今、伸びた髪を束ねた木村は夏服を身にまとい、楽しそうに目をキョロキョロと動かしながら、何度思い出しても「やっぱりすごかった」とかみしめる。あの試合を振り返ってもらった。

運命の一戦となった準々決勝・中国戦

「今でも(準々決勝の)中国戦について聞かれることは多いです。それだけ強く印象に残っているということですよね。実際、全セット2点差のすごい試合でしたけど、今でもこうして取材してもらえるのは、メダルを獲ったということも大きいのかな、って改めて思います」

 2012年8月7日。勝てばベスト4、メダル獲得に大きく近づく準々決勝で、日本は中国と対峙した。過去を紐解いても、五輪で女子バレー日本代表が中国に勝ったことはない。加えて、アテネ大会、北京大会と日本は準々決勝で敗れていた。

 決して大げさではなく運命の一戦、と言うべき試合。高揚感には程遠く、むしろ不安しかない。“絶不調”の木村はもがいていた。

【次ページ】 「私のスイッチ、どこにあるんだーって」

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