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石川祐希が「絶対的な存在」と信頼される理由とは? バレー代表初選出の23歳が証言「何かあればすぐ俺に聞きに来ていいよ」
posted2022/07/24 11:02
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Itaru Chiba
勝負の世界で敗れれば、いかなる時も「悔しい」や「残念」の文字が飛び交いがちだ。
しかし、時には負けても「残念」ばかりではない。男子バレー日本代表の戦いぶりが、まさにそうだった。
イタリア現地時間21日、ネーションズリーグ・ファイナルラウンド準々決勝でフランスと対戦した日本は、セットカウント0-3のストレート負けを喫して最終成績を5位で大会を終えた。
だが決して、その結果を「残念」とは思わない。
そもそも、ネーションズリーグでの「5位」は男子日本代表にとって過去最高順位。さらに敗れた相手フランスは、東京五輪で金メダルを獲得し、2年後に行われるパリ五輪に向けてさらなる強化を推し進める強豪国だ。そんなフランスと、1試合の勝敗によって世界ランクが大きく動くネーションズリーグという真剣勝負の場で戦うことができた。しかも、実力で勝ち進んだファイナルラウンドというガチの舞台で。
それでもあえて「残念だった」と付け加える要素があるとすれば、そのコートに“石川祐希”がいなかったことだ。
石川がいたら勝てたかもしれない?
フランスとの準々決勝を2日後に控えた20日、出場メンバー14名を伝えるはずだった日本バレーボール協会のリリースには「13名」とある。誰かがケガをしたのだろうか、はたまた誰かが体調不良で離脱したのか。リリースを開くと、18日の練習で石川が左足首を捻挫し、以降の試合を欠場することが記されていた。
「残念」と感じたのは「石川がいたら勝てたかもしれない」と安易に思っていたからではない。6月7日から始まった予選ラウンドの12試合で見せた日本代表の戦いぶりが、とにかく面白かったからだ。できるなら最後まで、石川を含むベストの布陣で戦う姿を見たかった。