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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「じつはセルティック移籍は1回断った」前田大然24歳が明かす、“恩師”ポステコグルー監督からのZoom「ダイゼン、本当に来ないか?」
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byAFLO
posted2022/07/24 11:03
昨季セルティックで途中加入ながら16試合で6ゴール、優勝に貢献し完全移籍を勝ち取った前田大然(24歳)。その加入はポステコグルー監督が熱望したものだった
「出場を決めた試合にいなかったですからね。なので、もし辞退していなかったらという思いはあります。ただ、もう終わったことなので、あとは本番に向けてやるしかない。あのときは、アンジェ(セルティックのポステコグルー監督)は代表に選ばれることは名誉なことだと言っていましたし、クラブも行ってほしかったみたいですけど、いろいろありまして(苦笑)」
森保監督からは、前線からの守備と、相手DFの背後のスペースを突きチャンスメイクすることを求められている。昨季まで所属していた横浜F・マリノスでも、今年1月に移籍したセルティックでも左FWが定位置。昨夏の東京五輪でも起用はすべてサイドだったが、代表では中央(CF)に配置されることが多い。
「真ん中がいちばん好きですし、ずっとやってきたのでやりやすさはあります。けど、最近はチームで左をやることがほとんどですし、どちらで出てもそんなに意識は変わりません。セルティックでも左サイドだからといって、ずっとそこにとどまっているわけではないですし、どんどんゴール前に入っていくのが自分のよさですから。どちらで出ても、ゴールを意識してプレーするだけですね」
6月シリーズ後には、FW三笘薫がチュニジア戦直後の取材対応で「攻撃面でもう少しチームに約束事が欲しい」との趣旨のコメントをしたことがネットを中心に話題となったが、そのことに関しては「ちょっと言いづらいですね」と苦笑いする前田。昨季は横浜FMでJリーグ得点王に輝いた二児の父親も、まだ24歳と代表では若手の部類に入る。
「代表で誰と仲がいい? まあ、お互い人見知りな部分はありますが、鎌田大地くん(25歳)とか。いつも『おい、坊主!』って言われて僕がついていく感じで、舎弟っぽくなってますね」
“恩師”ポステコグルー監督からのZOOM「本当に来て欲しい」
前田のキャリアを見ると、転機となったのは20年夏のポルトガルのマリティモから横浜FM、22年1月の横浜FMからセルティックへの移籍だろう。そのいずれにも強く関与したのが、21年6月まで横浜FMで指揮を執っていた現セルティックのポステコグルー監督である。
「マリノスも、セルティックも呼んでくれたのはアンジェです。マリノスに行ったときは、最初ほとんど左サイドなんてやったことがなくて苦労していたのに、それでも絶対にできるからと信用して使い続けてくれて……。セルティックから、本当は去年夏に話があったのですが、そのときはマリノスも優勝争いをしていたので1度断ったんです。そしたら、アンジェが『優勝して来い』と言ってくれて。シーズン後にまたアンジェ本人から直接ZOOMで連絡が来て『本当に来て欲しい』と伝えられて、(移籍を)決めました。アンジェは欲しいと思った選手は、とにかく取るところがあるみたいですからね」
「アンジェはお父さんみたい(笑)」
お互いが信頼し合い、選手と監督の理想の関係のようにも思えるが、2人の間に言葉はそれほど多いわけではないという。