「僕の特長はスピードであったり、とにかく走り回ってそれを攻守に生かすことなので。誰が見てもわかるじゃないですか。だから、プレーに関してあまり具体的な話はないですね。僕としては、試合に使ってくれているので、その気持ちに応えたい。

　アンジェは横浜でもセルティックでもキャラクターが全然変わらないんです。だから、この人についていきたいと思うのかもしれませんし、お父さんみたいな感じですかね（笑）。セルティックのミーティングでは、よくマリノス時代に聞いた話が出るんですが、何回聞いても響くというか。僕にとっては、すごくいい監督だなと思っています」

　ポステコグルー監督との出会いによって、前田は得点力を開花させたともいえる。昨季は横浜FMで36試合23ゴールと得点を量産。セルティック移籍後も途中加入ながら16試合で6ゴールと結果を出し、チームの2季ぶりのリーグ優勝に貢献。自らも完全移籍を勝ち取った。

途中加入ながら16試合で6ゴール、完全移籍を勝ち取った前田。その加入はポステコグルー監督が熱望したものだった　©Getty Images

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「サイドの選手も逆からのクロスにはゴール前に飛び込むというのが、アンジェのサッカー。それが自分に合っていた部分はあると思います。スピードも大事ですが、変わったのは意識の部分。何度もゴール前に入っていくのは、単純に僕がゴールを取りたいからですが、気持ち的には10回走って1点取れればいいみたいな。チャンスでゴール前に行っとけばよかったと後悔したくないので、とにかくゴール前に入っていくようになりました」

妻から「アンパンマンは変えたら？」

　19-20シーズンはポルトガルの首都リスボンから約1000キロ離れた大西洋に浮かぶ小島、マデイラ島のマリティモでプレーした。都会の喧騒とは無縁の牧歌的なマリティモと比較すれば、セルティックが本拠を置くグラスゴーはスコットランド最大の都市である。町の規模は異なるが、暮らしぶりはどうだろうか。

「天気が悪い（曇り、雨が多い）のはちょっと大変ですね。グラウンドもアウェイだと、ぬかるんで踏ん張りがきかないところも多くて。それに、セルティックのファンが熱狂的なのはうれしいし心強いのですが、距離感が近すぎるというか。ホームゲームのときはスタジアムからそれぞれの車で帰るのですが、サインを求められたり車を囲まれちゃったり、ひいてしまいそうで、なかなか車を動かせないときもありますからね」

　新シーズン、セルティックはチャンピオンズリーグ（CL）に出場する。

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