「ジャンプ力、身体能力、体付き……。僕にないものを持っている。それに、すごく真面目なんですよ。その日の練習の動画をコーチからもらって、夜、ずーっと見ている。とにかく自分が成長するために繰り返し見て、次の日の練習で試す。その作業をやり続けるんです。今まで、こんなに貪欲な若手は見たことがなかったから、絶対に伸びるな、彼と争わなければならない日が来るだろうな、っていう覚悟がありました」

まだまだ進化している周作さんを追い越すことが大事

　一方、彩艶も最大限のリスペクトを示しながら、西川越えを誓う。

「周作さんは凄いと思います。『この人、まだまだうまくなるのか！』って。簡単に試合に出られても成長にはつながらない。まだまだ進化している周作さんを追い越すことが大事だと思います」

　ちなみに、彩艶（ざいおん）という響きのいい名前の由来は、聖書に出てくる聖なる丘（Zion）である。「好きですね、自分でも。母が付けてくれたと聞いています」と笑顔を見せる。

　ピッチ上では貫禄十分な若者も、普段は母親への感謝を忘れない心優しい青年である。

「母から常に『自立するように』と言われてきました。だから、ジュニアの頃から自分の洗濯物は自分で洗っていましたし、自立を心がけてきたことが、今の性格に繋がっているんじゃないかと思います」

　強い意志を持って日々のトレーニングに励みながら、イングランドのプレミアリーグで活躍することを夢見ている。

「浦和レッズで試合に出て、タイトルを獲ってから、イングランドに移籍して、プレミアリーグで活躍したいです。そのあとは、このクラブに帰ってきて引退するのが自分の夢です」

　川口能活と楢崎正剛が代表デビューを果たしたのは、21歳のときだった。日本代表GKの大先輩たちより2年早く代表キャップを刻んだことになる。その体格とポテンシャルに見合うスケールの大きな未来に期待したい。

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