3点差から同点に…その時、何を思ったか

「ポイントは、ハマンの投入だったと思う。

　キューウェルは前半で怪我をしていたし、フィナンも股関節を痛めていたから、フィナンに代えてハマンを入れ、さらに3バックに変更したんだ。

　監督が狙ったのは、中盤で数的優位を作ることだった。前半、カカは中盤で自由に動きまわっていたし、ピルロも楽にゲームを組み立てていたからね。

　ハマンは、3バックに変わった最終ラインをしっかりケアしてくれたから、守備も全体的にすごく固くなった。そういう状況の中でまず僕が最初のゴールを決め、後半開始からたった15分の間に、一気に同点に追いつくことができたんだ。

　僕たちは似たようなシステムを、準々決勝のユベントスに対しても使っていたけど、ミラン側はシステムがここまで変わるなんて、予想していなかったと思う。立て続けに3点を返されて、試合の流れが急に変わったのもショックだったと思うし。

　とはいえ相手にも勝ち目はあった。特に延長戦では、何度か決定的なチャンスを作っている。3バックに変えて前がかりになった分だけ、僕たちはカウンターアタックの危険にさらされたんだ」

――反撃の口火を切ったのは、君のヘディングだった。ゴールを決めた直後、ファンを鼓舞したのは、強く印象に残っている。

「あれでちょっとだけ、希望がでてきたからね。自分たちは諦めていない、君たちのために戦うぞとアピールしたかったんだ」

――最終的に3－3に追いついた時、もしかすると、このまま押し切れるかもしれないという予感はあった？

「まさか。どんな試合でも、最終的に結果が出るまでは、自分たちが勝てるだろうなんて絶対に思わないよ。あくまでも試合が終わった後、『ああ、ああいう場面が勝負の分かれ目だったんだな』と思うだけで」

リバプールの2点目となるミドルシュートを決めたシュミツェル ©Getty Images

――サッカーファンの間では、'04-'05シーズンのファイナルが、最もドラマチックでスリリングな試合だったという意見が根強い。君自身はどう思う？

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