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ジェラードが語る17年前のCL決勝…リバプール“奇跡の大逆転”はなぜ起きた?「前半はミランに太刀打ちできなかった」「一番の勝因は…」
posted2022/05/26 17:00
text by
サイモン・マロックSimon Mullock
photograph by
Getty Images
2004-05シーズン・UEFAチャンピオンズリーグの決勝。ACミランと対戦したリバプールは、3点ビハインドの状況から追いつき、PK戦の末、逆転勝利を収めた。語り継がれる“イスタンブールの奇跡”はなぜ起きたのか。闘将スティーブン・ジェラード自らが当時を振り返った雑誌Numberの記事を特別にWeb公開します。 <初出:Sports Graphic Number 921号(2017年2月9日発売)、肩書などすべて当時>。
――この冬、君はついに現役生活に終止符を打ち、指導者として歩み始めることを発表した。そもそも決断を下した理由は?
「僕は幸運なことに、一人のサッカー選手として、素晴らしいキャリアを歩んできた。
子供の頃から大好きだったクラブで多くの成功を収めたし、リバプールとイングランド代表の両方で、キャプテンになることもできた。それに最後は、LA・ギャラクシーでもサッカーを楽しんだしね。
でも現役選手としては、やれるだけのことをやり尽くしたと感じるようになった。だからこれからは違う形で、サッカー人生を歩んでいこうと思ったんだよ」
――自分のキャリアには心から満足している? それとも多少は悔いが残る?
「全体的に見れば、満足できる部分の方が多かったと思う。自分は、すべてのサッカー少年が憧れる世界にいたんだから。
もちろん、悔いが残ることもあるさ。僕は結局、プレミアのトロフィーに手が届かなかった。2009年と2014年は、優勝まであと一歩のところまで近づいたのに、肝心な場面で運に恵まれなかったんだ。
ただし、どんなサッカー選手にも、もう一度やり直せたらと思うような出来事はあるだろうしね」
――その代わりに君は、'04-'05シーズンのCLで見事に優勝を収めている。