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《最後の肉声》「あなた方は進歩した」日本のW杯出場を喜ぶオシムの憂いと祈り「実はうまく歩けない」「プーチンは狂信的ですらある」 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2022/05/04 17:04

《最後の肉声》「あなた方は進歩した」日本のW杯出場を喜ぶオシムの憂いと祈り「実はうまく歩けない」「プーチンは狂信的ですらある」<Number Web> photograph by Getty Images

2021年5月、SKシュトゥルム・グラーツ対レッドブル・ザルツブルクの試合会場を訪れたオシム。旧ユーゴスラビア代表監督などを経て、日本ではジェフユナイテッド市原・千葉、日本代表で監督を歴任した。享年80

「Jリーグはもう始まっているのだな」

――開幕してひと月がたちました。

「それはいい。素晴らしいスタジアムでまたサッカーが始まったわけだ。日本は最高の環境で最高のサッカーを実現できる条件が整っている。スタンドは観衆で溢れピッチコンディションは素晴らしい。若く才能に溢れた選手たちがそこで躍動する。日本サッカーには豊かな未来が開けている」

――そうだといいのですが。

未来への祈り

「輝かしい未来だ。私はそうであることを願っている。

 今、テレビが映し出しているのはマリウポリ(ウクライナ東南部の都市)の映像だ。すべてがロシア軍によって破壊しつくされた。ただ、だからといって、誰かに対してリベンジしようとは思って欲しくない。プーチンにはその気がちょっとある。彼にはやられたという思いがあったのだろう。だから今、ウクライナに対してやり返している。だが、どこもロシアのように強大な軍備を整えられない。それが世界中に脅威を与え緊張を作り出している。今はどこもがロシアに恐れを抱いている。

 そういうことだ、サリュ、モンビュウ」

――メルシー、イバン。 <雑誌編に続く>

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《追悼》「新しいW杯を創設すべきときかもしれない」イビチャ・オシムが“最後のインタビュー”で語っていたこと

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