Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[常勝軍団のインテリジェンス]日本を救うフロンターレ流6つの哲学。

posted2022/05/06 07:00

 
[常勝軍団のインテリジェンス]日本を救うフロンターレ流6つの哲学。<Number Web> photograph by Miki Sano

W杯出場を決めたオーストラリア戦のあと、集合写真を撮る“川崎勢”。左から谷口、板倉、川島、旗手、三笘、山根、守田、田中

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

PROFILE

photograph by

Miki Sano

一時は黄色信号が灯ったW杯出場権獲得。暗雲を切り裂いたのは、川崎にルーツを持つ者らの創造力だった。その源泉を、クラブ前監督の風間八宏、レジェンド・中村憲剛、現主将の谷口彰悟の3人がひもとく。

 偶然か必然か。

 同じルーツをもつ男たちが森保ジャパンのありようを変えつつある。いや、すでに変えたと言うべきか。

 序盤で大きくつまずき、修羅場と化したカタールW杯アジア最終予選。そこで日本に新たな風をおこし、本大会出場の動力源となったMFの守田英正と田中碧は、同じ古巣で研鑽を積んだ仲だ。

 川崎フロンターレである。

 過去5シーズンで実に4度のJ1制覇を成し遂げた最強軍。守田と田中はその一翼を担い、その後ヨーロッパへ渡っている。最終予選で2人が初めてスタメンに抜擢されたのがオーストラリアとの第4戦。そこから日本は破竹の6連勝で巻き返し、カタール行きの切符をたぐり寄せた。

 日本の窮地を救った「フロンターレ組」は守田と田中だけではない。交代の切り札として躍動した左ウイングの三笘薫、主将の吉田麻也ら主力の不在時に先発で起用されたセンターバックの板倉滉と谷口彰悟、右サイドバックの山根視来もそうだ。

 しかも、彼らがユニットを組んだケースの効果は絶大だった。難敵サウジアラビアとの第8戦では守田、田中、谷口、板倉がスタメンに名を連ね、2-0で快勝。さらに本大会出場を決めたオーストラリアとの第9戦では守田、田中、板倉、山根が先発したうえ、終盤に投入された三笘が派手に立ち回り、2ゴールを奪った。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 4425文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

川崎フロンターレ
風間八宏
中村憲剛
谷口彰悟
守田英正
田中碧
三笘薫
板倉滉
山根視来
カタールW杯
ワールドカップ

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ