礼儀正しいがゆえの言い方と理解しているので私はネガティブに受け取りませんでしたが、選手によっては少し困惑するかもしれません。あとは文化や雰囲気、人の違いを楽しめるかという性格的なところもあります。

今年、アメリカで再会したら…

――違いを楽しめるメンタリティがあれば、より早くチームに馴染めると。

エルドレッド　アメリカでは経験したことのないもの、たとえばゴロを意識して打つ練習があったとして、私はそれも問題なく取り組めました。自分の知らないことをやるのにまったく抵抗がないんです。それはコーチやチームメイト、ファンに対しても同じで、もっと知りたい、会話してみたいと思う。

　その点、誠也も同じだと思います。入団当初から彼はいつも私に興味をもってくれていたのがわかりました。英語を話せずとも声をかけてくれた。今の誠也も、チームメイトに冗談を言ったり、スタッフやコーチと積極的に話したり……僕が日本に来たときと同じようなことをやっているんじゃないかな。幸運にも野球用語の多くは日本とアメリカで同じなので、それだけ押さえておけば大丈夫でしょう。誠也に言葉の壁はありませんよ。

――これから相手チームのマークも厳しくなってくると思います。成績を残し続けるために必要なことは。

エルドレッド　彼に今さら言えることはあまりないですが……打てなかったときに切り替えることでしょうか。前の試合で打った投手に次の試合では抑えられるかもしれない。そこで大切なのが喜びすぎず、落ち込みすぎずというメンタル面だと思います。考えることはひとつ。次の打席、試合をいかに良いものにするか。打てなくても寝て起きたら新しい試合があるわけですから。実際に日本時代、打てなかった次の日にホームランを2本放った誠也の姿も見ているので心配してませんが。

――ずばり新人王は取れますか？

エルドレッド　今、投票すれば間違いなく誠也だと思います。とはいえシーズンは長いですし、ここから大活躍する選手が出てくるケースもある。確率的には……50%以上と言っておきます。

　今年こそどこかで再会したい。彼の携帯番号は知っているけど、シーズン中で忙しいだろうし、邪魔したくないのでまだ連絡してないんです。会ったら何をしたいか？ フロリダのエアボートツアーに連れて行こうかな。そこで野生のワニに遭遇したら、打席では落ち着いている誠也も子どものように騒ぐだろうから。

2016年日本シリーズ。ハイタッチするエルドレッドと鈴木誠也 ©Hideki Suigyama　※クリックいただくとエルドレッド＆鈴木誠也の若き日、名シーンなど多数写真がご覧になれます

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。