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愛され助っ人・エルドレッドが語る“鈴木誠也の衝撃”「両手とも水ぶくれに覆われていた」「セイヤに言葉の壁はない」
posted2022/05/02 11:04
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph by
Getty Images
「誠也のスゴさをアメリカで知ってもらえてうれしい」
――今シーズンからカブス所属の鈴木誠也選手がここまで好調です(取材は日本時間4月27日)。
エルドレッド 正直これほどすぐに結果を出すとは予想していませんでした。環境がまるで変わった中での新シーズンでしたから。とはいえ苦戦するイメージが湧かなかったのも事実。説明が難しいのですが、誠也のスイングは世界中どこの野球にも対応できると思っていたので。
――アメリカのメディアも鈴木選手の適応力に驚いているようですね。
エルドレッド 私が思う誠也の最大の強みはバットをボールに合わせる力。目と手を見事に連動させて打ちにいけるんです。だから、スイングする際の手の動きをボールの軌道と完璧に合わせられる。変化球で体がのけ反っても、スイングの始動が遅れてもボールに対応できる。これは野球で最も難しい技術のひとつで、私も長年の課題でした。彼がもともと持っている天性の技術か、習得したものかはわかりませんが。
例えば23日(日本時間24日)のパイレーツ戦でヒットを3本打ちましたよね。そのうち最初の2本は、彼が待っている球とは違ったように見えます。体をのけぞらせながらもヒットにしたあの感じなんて、まさに誠也のバッティングです。加えて、読みと来た球がはまればとんでもないパワーでスタンドに持っていける。誠也のスゴさをアメリカで知ってもらえてうれしいです。
本拠地の初打席「誠也じゃなくて“エルドレッド”だったら…」
――以前エルドレッドさんは、日米のピッチャーの違いとして「角度」を挙げていました。つまり、日本人打者が苦戦しやすい理由の1つに、ストレートの速さそのものよりも、身長が高いアメリカの投手の球に角度を感じて打ちづらくなると。