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大谷翔平とメッツの主砲アロンソは似ている? 今年のホームランダービーでは「2連覇男vsア・リーグMVP」夢の対決が実現するか
posted2022/04/26 17:01
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
「もしもWBCに選ばれたなら、出場したいと思っている。星条旗を背負ってプレーすることなんてそうそうないことだし、日本や韓国のチームとプレーするのはとても楽しみなことだよ」
メッツのピート・アロンソがそう言ったのは2019年、彼がクリーブランドで行われたオールスターゲームのホームラン・ダービーで、新人として初出場初優勝を果たした直後だった。
大谷翔平、もしくはアメリカン・リーグやエンゼルスを通してメジャーリーグを見ているような人々にとっては馴染みのない名前かも知れないが、アロンソはナショナル・リーグ東地区の人気球団メッツの人気選手である。
2016年のMLBドラフト二巡目(全体64位)指名で東部の名門フロリダ大学から入団したアロンソは、マイナー時代に本塁打王になるなど、すでに長距離砲として知られており、2019年に開幕メジャー入りすると、破竹の勢いで本塁打を量産し始め、161試合で打率.260、53本、120打点で本塁打王を獲得。投票資格のある記者30人中29人から1位票を得て、ナ・リーグの新人王にもなっている。
大谷翔平とアロンソの因縁
アロンソは間接的に、エンゼルスの大谷翔平選手と因縁がある。
大谷は昨年、コロラド州デンバーで行われたオールスターゲームの前座、ホームランダービーに日本人として初めて出場し、一回戦で31本塁打対28本塁打でファン・ソト(ナショナルズ)に敗れた。
そのホームランダービーで優勝したのが、他ならぬアロンソだった。
日本でも生中継されたのでご記憶の方も多いと思うが、ホームランダービーは年々、単なる前座とは思えないぐらい人気あるイベントになっている。
公式戦で敵対する選手たちが、チームの垣根を越えて出場選手を励まし、とんでもない飛距離のホームランが出ると、ベンチ前でイベントに参加中の子供たちと一緒に飛び跳ねたり、歓声を挙げたりする。大谷も昨年、ロッキーズの本拠地球場に詰めかけた超満員の観客を前に、主人公の一人として、その熱狂の中で大きなアーチをかけ続けた。
大谷が今年も、オールスター前までに外国人選手としては最多タイの33本塁打を記録するような活躍を見せれば、メジャーリーグは当然、彼にホームランダービーへの出場を打診するだろう。余裕があるのなら、是非とも出場して欲しいし、それはアロンソも同じだ。
アロンソにはパンデミックでオールスターが開催されなかった2020年を挟んで、3回連続のホームランダービー優勝が懸かっているので、当然、彼にも出場要請はされるはずだ。そして、両者が出場して決勝まで勝ち抜けば、「ホームランダービー3連覇を狙うアロンソ対昨年のア・リーグMVP大谷」というファン注目の対決が実現するかも知れない。