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《独占》「そんな選手になって欲しくない」巨人・原監督が明かす、坂本勇人にLINEで送った厳しい“苦言”の中身<丸佳浩は“ヨギボーの秘密基地”で好調?> 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/04/23 17:03

《独占》「そんな選手になって欲しくない」巨人・原監督が明かす、坂本勇人にLINEで送った厳しい“苦言”の中身<丸佳浩は“ヨギボーの秘密基地”で好調?><Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今季も巨人のキャプテンを務めている坂本。原監督がLINEで送った“苦言”とは?

丸は「ロッカーでスマホゲーム」から「ヨギボーの秘密基地」へ

「丸なんかにしても、彼はスマホのゲームが好きで、それで目を疲れさせている。だから今年から東京ドームのブルペンの横にリラックスルームというのを作ってあげたのね。試合前に時間が余って10分、20分って仮眠ができるスペースです。部屋全体を薄暗くしてヨギボーが7、8人分置いてある。選手にはすごく好評で、いつも満員みたいだね。丸もロッカーでゲームをしていた時間にそこで休んでいるみたいで、それが良かったと思いますね」

――選手にとってはちょっとした心身をリフレッシュするための“秘密基地”みたいな場所ですね。

「ミーティングで選手からこういうのがあったらという要望が出て、スタッフが一生懸命、プロデュースしてくれた。10分でも20分でも仮眠するとすごくエネルギーが出てくるし、集中力も高まる。練習が終わって、ちょっとした間ですけど、ロッカーってザワザワしているし、スマホゲームをすれば目と指に負担をかけて、野球には良いことはあまりない。その時間、目を瞑って横になれるんだから、野球にとってあれは良いですよ!」

「とにかくレッツ・ビギンですよ」

――選手が野球をやるための環境もどんどんアップデートしていますね。

「僕は新しもの好きだからね。新しいことを否定するのはつまらないし、とにかくレッツ・ビギンですよ。やっぱり温故知新で、“温故”的に古いことを大事にすることも必要だし大事だと思う。でも、“知新”的なものもなくちゃ。あとは間違えた時には改めることを憚ることなかれ、ですよ。そこはね『間違った。俺の判断ミスだ』って、チームとしてこうしていこうと転換することも大事。自分の言葉に囚われて、そこに束縛されるのはダメですよ。そこは指導者として自分でいつも戒めています」

――投手陣の中5日のローテーションというのも、今季はあっさり断念しました。

「そうですね。メンバーが変わってくれば、それはやっぱりそこにこだわりはしない。去年は先発投手がいなかったという事情があった。でも結果は出なかったけど、あれを乗り切ったというのはピッチャーにとっては1つの経験になったはずです。ただ先発陣の陣容が変わった今年は、そこは方針転換して、改むること憚ることなかれです」

 固定観念にとらわれることが指導者としての最大の悪だというのが、原監督の監督論の原点にはある。3連覇をなしえず敗北を期した昨シーズンを乗り越えて、2022年の巨人は「不屈」に新しいものにチャレンジするチームとして再生されてきた。

 若い選手も中堅もベテランも、そして原監督自身も進化を目指して決して立ち止まらない。そこに今季の巨人の強さの原点があるように思う。

<投手編からつづく>

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「FAでは獲らないと決めていた」「いま一番だらしないのは…」巨人・原辰徳監が語る、若手投手が次々にブレークできたワケ《独占取材》

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