甲子園の風BACK NUMBER
國學院久我山・31歳監督は“幼稚園の先生”だった…!? “イチロー効果”だけじゃないセンバツ躍進の要因「園児に『教えている』はずが…」
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2022/04/03 11:01
センバツ初勝利→4強入りを果たした國學院久我山高校。“イチロー効果”以外の飛躍の要因とはーー
“Y世代監督”に思う高校野球の変化
同じく4強入りした浦和学院の森大監督も尾崎監督と同じ31歳。今大会はジェネレーションYの監督が注目された大会となった。幼少期からITに触れてきたデジタルネイティブの世代で、言語化能力に優れた世代でもある。1991年夏に井口資仁氏とともに甲子園出場を果たした下村泰司元主将(OB会副会長)も感心する。
「あの環境の中、結果を出して大したものだと思います。監督が選手を抱きしめるなんていう光景は、僕らの時にはなかった。國學院大学の竹田利秋総監督にお願いして球場を貸してもらったりと、選手のために一生懸命やっていますよね。尾崎監督には日本一HAPPY感あふれる監督になってほしい」
人懐っこい性格で、監督というよりチームの“長男”のような雰囲気を持っている尾崎監督。教え子が書いた手紙がきっかけでイチロー氏が自校にやってきてくれたときは「通りすがりの住人さんにイチローさんの話ばかり聞かれるから、これからジローって名乗ろうかな」と茶目っ気たっぷりだった。変わろうとしている高校野球。甲子園にさわやかな風が吹いた久我山の戦いぶりだった。
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