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國學院久我山・31歳監督は“幼稚園の先生”だった…!? “イチロー効果”だけじゃないセンバツ躍進の要因「園児に『教えている』はずが…」 

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樫本ゆき

樫本ゆきYuki Kahimoto

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posted2022/04/03 11:01

國學院久我山・31歳監督は“幼稚園の先生”だった…!? “イチロー効果”だけじゃないセンバツ躍進の要因「園児に『教えている』はずが…」<Number Web> photograph by Yuki Kashimoto

センバツ初勝利→4強入りを果たした國學院久我山高校。“イチロー効果”以外の飛躍の要因とはーー

「それはコロナ禍の影響を受けなかったことなんです。(コロナ禍で)全国のチームが休校や制限で練習不足に悩まされている中、私たちは冷静でいられました。だって、もとから短時間練習。時間制限がある中で工夫してきたんですから。誰からも不満が出ませんでした。コロナ禍が影響しなかった、珍しいチームだったと思います」

 記録員の宍戸凌太も言う。

「『時間は自分で作り出せ』と言われて練習してきたので、コロナ禍になっても『できない』『(時間を)奪われた』という感じがしなかった。もともと制限が多い中で工夫してやってきたので」

 グラウンドの狭さについてはどうか。「グラウンドが狭くて打球を遠くに飛ばせない」。そういう不満はないのだろうか? 尾崎監督は続ける。

「ありません。ウチは『1本のホームランより、10本のヒットを打とう』をテーマに掲げています。折れにくい木製バット、コンポジットバットを使って練習をしているので、金属バットよりも狭い芯で打つ練習ができます。金属に持ち替えた時に飛距離の大きさに喜びますし、何より大学では木のバットになりますからそのための練習にもなります」

 4番下川邊隼人は準々決勝の星稜戦で自分でも驚くような当たりの決勝2ランを放ち、4強入りを決めた。積み上げてきた力が大舞台で発揮された瞬間だった。

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