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オナイウ阿道に学ぶ“新生活の心得”「Look at me!」と「シルエットはかせ」で馴染んだフランスリーグ、大迫との比較にもブレない俺流
posted2022/03/06 11:01
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
新生活応援キャンペーン、実施中――。
こんな文言を、あらゆるところで目にする季節がやってきた。入学、進学、就職、転職。新たな環境にすんなり馴染めるのか、今から緊張している方もたくさんいるはず。
そんなあなたに、オナイウ阿道の言葉はいかがでしょう? 移籍が日常茶飯事のサッカー選手も、加入前は新天地での活躍に闘志を燃やす一方、新たな監督、仲間、サポーターに受け入れられるか、多少なりとも不安を抱きながら新ユニフォームに袖を通している。
現在、フランス2部リーグのトゥールーズでプレーするオナイウ阿道は“新生活”のプロフェッショナルだ。正智深谷高校を卒業してジェフ千葉に加入して以降、浦和レッズ、レノファ山口、大分トリニータ、横浜F・マリノス、トゥールーズへの移籍を経験してきた。特に昨年7月のトゥールーズ移籍は、25歳での海外初挑戦。チームメイトに日本人は1人もいない。チームに馴染むには、少し時間がかかるだろう。と、周囲は予想していた。
ところが渡仏からわずか4日後、アジャクシオとの開幕戦ハーフタイム明けの光景に驚かされた。
言葉が通じなくても、しゃべりまくる
後半開始からの出場、まだフランスリーグでプレーしたことがないはずの日本人ストライカーが、チームメイトとしゃべる、しゃべる、しゃべる。フランス語はほとんど話せない。英語も決して堪能ではないのに、すっかりトゥールーズの7番が板についていた。
「どうやってチームに溶け込むか。作戦は、コミュニケーションのみです(笑)。フランス語なんて全く話せないし、英語も完璧じゃない。でも、トゥールーズは多国籍チームなので、英語を使う選手が多い。ならば、とにかくコミュニケーションを取って、自分のことをわかってもらおうと。サッカーと関係ない話題でもいいから、とにかく知っている単語をつないで、話しかけていましたね」