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“クボが噛み合わない縦関係”に名手も同情? 納得できない久保建英の表情、36歳ダビド・シルバの魔術〈撮影者の視点〉
posted2022/03/06 11:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。ミッドウィークにプレーした久保建英について、現場の空気を臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事から写真をご覧になれます)。
幅広いプレーポジションでシュートに持ち込んだ
3月2日、延期されていたリーガ21節マジョルカvsレアル・ソシエダ戦を撮影しました。マジョルカとしては、2連敗で迎えたこの試合、残留争いに巻き込まれないためにも、なんとしてでも勝ち点1以上が欲しい試合でした。
対するソシエダは、来季EL出場権を獲得するため、また直近のオサスナ戦こそ勝利していますが、ELでの敗退、前々節バスクダービーでの敗戦を払拭するためにも、格下マジョルカからの勝利が求められる試合でした。
前節のバレンシア戦では大車輪の活躍でフル出場の久保でしたが、中3日で迎えたこの試合でも先発出場となりました。ウォーミングアップの際には、以前痛めた右ひざを気にする姿も一瞬見られましたが、ボール回しなどでは軽快なボールタッチを見せ、調子の良さを窺わせました。この日も右サイドが主戦場となる久保は、縦の位置関係となるマフェオとパス交換。また言葉を交わす姿を撮影しました。
久保と対面となるソシエダの左サイドバックにはゴロサバルが配置。また左寄りのボランチ、ミケル・メリノともマッチアップを繰り広げました。
マジョルカにとって格上との対戦となりましたが、攻守が激しく入れ替わる展開の中、マジョルカもシュートまで持っていきます。久保はこの試合でも右サイドだけではなく、中央、逆サイドまで流れてプレーに関与し続け、運動量も多く好調に感じられました。
前半10分にはアントニオ・サンチェスからの横パスをワンタッチでコントロールし、ボックス外から左足を振り抜きましたが、枠を捉えることはできませんでした。その直後に、ソシエダのキーマンであるダビド・シルバが大きな声でチームを一喝したのは印象的でした。
ファウルを辞さない守備、ダビド・シルバの一撃
久保がボールを持つと、独自の軽快なリズムで相手のタイミングを外して抜きにかかりますが、前節での出色の活躍もあってか、ファウルも辞さない守備、さらには常に2枚目、3枚目のカバーが待ち構えており、突破しきることがなかなかできません。特にサイドバックのゴロサバルには監督が直接指示を与える姿も撮影でき、久保のサイドでの突破には警戒感を高めていました。