「自分は外してもあまり思いつめないですね。極端に言うと、外してもいいやって感じでプレーしています。ストライカーは5本中1本を決めればいいと言われていますけど、外しても引きずらないことがゴールを取るために大事なこと。自分も2、3本外した後の4本目で決めたこともあるので、切り替えるのが上手いタイプなのかなと思います」

今季の調子は？「不甲斐ないシーズンになっています」

　水戸で結果を出し、自信をもって昨年、磐田に復帰した。しかし、32試合9得点に終わり、爆発するには至らなかった。

　捲土重来、今シーズン、エースの自覚を持ち、「やってやる」とシーズンインした。開幕戦の琉球戦は、スタメン出場を果たした。ところが気持ちが空回りしたのか、前半だけで交代。その後、スタメンに復帰することはなかった。

「昨年、水戸からジュビロに戻ってきて、中山（雅史）さんの9番をもらって、点を取ってやろうと思ったんですが、チームとしても個人としてもうまくいかなかった。その悔しさを抱えて今シーズンこそはという思いでした。チームは調子がいいですけど、自分は不甲斐ないシーズンになっています」

ⒸJUBILO IWATA

　小川は、ほとんどが途中出場で、後半の時間が少ない中で投入されるケースが多い。

「時間稼ぎをするのか、点を取りに行くのか、けっこうな葛藤を抱えながらプレーしています。U-20代表ではゴール前にいて、自分がゴールを決めるための動きをすればよかったんですけど、チームには自分に課せられた役割があるので、それをこなさないといけない。今、チームはすごくいい雰囲気で戦えているので、自分勝手なプレーをするわけにはいかないですから」

“あのストライカー”がお手本「すごいなって思いますね」

　現在、23試合1得点は、FWとしてはもちろん、点にこだわる小川にとって悔しさしかない数字だろう。ただ、ルキアンが好調な今、すぐに序列が変わるとは思えない。出番は、後半のわずかな時間にこれからも限定されるだろう。その時間内でいかにゴールを奪うか。

　小川はある選手を参考にし、イメージしてプレーしている。

「小林悠選手（川崎フロンターレ）はすごいなって思いますね。残り5分とか、本当に時間が少ない中で決める時は決める。時間が少なければ当然チャンスも少ないわけで、その1本を決めるかどうかだと思うんですけど、小林選手は決めている。そういうプレーを見ていると、時間が少ないって言い訳している自分が恥ずかしいです」

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