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「日本はまだメッシやサラーを買えるに至っていないが…」オシムが語る欧州サッカーの新潮流と日本の可能性とは
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2021/09/23 06:01
2007年、日本代表監督時代のオシム。今年80歳となったが、その舌鋒はいまだ鋭い
――その通りです。
「今はサッカーと関わりがない大金持ちたち、ビル・ゲイツとか……、アマゾンやグーグルのような企業でもいいが、彼らが興味を持てば、サラーはもちろん台頭する若い選手たちを買うことができる。将来を保証するのはそうした選手たちだ。今は多くの若い選手が頻繁にクラブを替える。
少なくとも私は、素晴らしいサッカーと共にこれから生きることを望む。そのうえで様々な課題と向き合っていくことを。どうしてサッカーはうまくいかなくなったのかといった問題だ。良いことばかりではなく、負の部分もしっかりと認識して対処することを」
――その通りで、バルセロナなどは莫大な負債が顕在化して問題になっています。
メッシに代わる才能の見つけ方
「バルセロナは、どんな風にプレーしたらいいかをはっきりさせるまでに少し時間を要する。新たなメッシを見出すための時間だ。それが誰になるのかを明らかにせねばならない。メッシとはタイプが異なるが、彼同様に優れた才能と資質を持ち、すでに発揮している選手だ。獲得には莫大な金がかかる。それはクラブ内外に新たな戦争を勃発させるだろう。すぐにというわけにはいかない。少し時間が必要だ。
新しいW杯を創設しなければならないかも知れない(笑)。最高クラスの選手たちだけのための大会だ。それ以外にはやり方はないのかも」
――ひとつのアイディアですが……。
「いい試合が見たければ、最高の選手たちがプレーする試合であるに越したことはない。それがサッカーを進化させるし、若い選手たちのクオリティには多くを期待できる」
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