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“104億円の18歳ペドリ”にU-24日本代表全員の総計が満たないなんて悔しい… “732億円軍団スペイン”を打ち破れ〈市場価格調査〉
posted2021/08/02 17:06
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Naoki Nishimura/AFLO SPORT
“プライスレスなエモさ”を強烈に感じる代表チームが観られて、ただただうれしい限りである。
U-24日本代表が東京五輪男子サッカーで、ロンドン五輪以来のベスト4に進出、メダルまであと1勝の地点に再びたどり着けた。ホーム開催だったはずが無観客となり、声援を受けられない中での逞しい戦いぶりである。
ほぼテレビとはいえ……東京五輪世代の試合はチェックしていた。この世代は計90人近くの選手が招集された末に、選ばれし22人になった。それぞれの経歴は多様性に満ちている。
久保建英や堂安律、冨安健洋といった「日本サッカーを背負う」と期待され続けた逸材から、板倉滉や三好康児、中山雄太らJリーグで揉まれて海外組になった選手たち、コンスタントに呼ばれ続けた上田綺世や大迫敬介らに、高体連・ユース・街クラブから大学経由で化けて、チームに食い込んだ林大地に三笘薫、相馬勇紀……全員挙げたいのだが泣く泣く割愛しつつ、過去の五輪の酸いも甘いも知る吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航のオーバーエイジとともに結束して戦う。なんていうか、少年マンガのストーリーである。
スタッフにも、ニュージーランド戦で「ヒーローになってこい」と言って谷を送り出した川口能活コーチがいる。森保一監督のもと、Jリーグ開幕から歩んだ日本サッカー約30年の歴史が、今まさに大きく花開こうとしてるんじゃ……と勝手に感無量になっている。
バルセロナ五輪の時はグアルディオラらがいた
とはいえ、チームはそんなセンチメンタルな気分に浸ってるわけは、まったくないはず。
だって、大事な準決勝の相手はスペインである。
大会直前の親善試合は1-1のドロー。堂安律の先制ゴールや好内容の90分間で期待値が高まったとともに「え、スペイン、こいつらホントに来たの?」という面々だったのも印象深かった。現役時代のペップ・グアルディオラ、ルイス・エンリケらを擁して金メダルを獲得したバルセロナ五輪以来の金メダルを、本気で獲りに来ているのだと感じた。
日本代表の選手の声やストーリーは取材最前線で奮闘するライター諸氏に任せるとして……メダルマッチとなる相手、スペインのネームバリューがどれだけスゴいのか、世間に広くわかってもらうために移籍専門サイト「transfermarkt」のデータを引用して「両国の市場価格調査」をしてみよう。
まずは日本から。1ユーロ=130円で計算、年齢は8月1日時点のもの。