「攻撃面を考えると当然久保、堂安が中心になってくるでしょう。ただ、タイトな日程のなか2人がフルに出るわけにもいかないので、代わりに出る選手も大事になる。2人に代わる選手には同じ左利きの三好（康児）もいるし、左サイドなら三笘（薫）と相馬（勇紀）。前線の前田（大然）も2列目ができますし、攻撃面で困ったときにボールを預けられて、個で打開できる選手が多くいるのは大きい。同じ組の対戦相手を見ると、フランスはムバッペ（PSG）とデンベレ（バルセロナ）が不在でも相当強そうですが、いまのチームはどこと対戦してもむかしのように内容で圧倒されることはないような気がします」

　ただ、それぞれ中2日で南アフリカ（22日）、メキシコ（25日）、フランス（28日）と対戦するグループAを突破するのは簡単ではない。だからこそ、前園は勝ち抜くには初戦で勝ち点3を手に入れることが大前提と強調する。

「初戦を落とすと大変になるのはどの大会でも一緒ですが、南アフリカが（対戦相手のなかで）いちばん戦いやすいと考えればなおさら。初戦を勝てば、2戦目のメキシコとは余裕を持った戦いができるし、フランスとの最終戦を待たずに勝ち点を4まで積み上げることができれば突破の可能性は大きく膨らむ。逆に初戦を落とせば、第2戦に絶対に勝たなくてはとリスクを冒しバランスを崩しかねない。そうならないためにも、やっぱり初戦が重要になります」

　グループリーグが厳しいぶん、突破できれば一気にメダル獲得の可能性は膨らむかもしれない。順位はどうあれ、そこで対戦するのは韓国、ニュージーランド、ルーマニア、ホンジュラスが同居するグループBを勝ち上がってきたチームになる。

「正直、そのグループがいちばん戦いやすい。トーナメントの逆の山ならブラジルやアルゼンチン、スペインなどの強豪と準々決勝で対戦する可能性もあったわけですから。グループリーグを突破すれば、ベスト4のチャンス、53年ぶりのメダルも見えてくる。トーナメントでいきなり韓国と当たるかもしれませんが、やり難い相手ではあるけど、勝てない相手ではない。こんなことを言っていてグループリーグで敗退してしまったら解説者失格かもしれませんが、メダルを獲る力は十分あると思うので、地元開催なわけですし、ぜひいい戦いを見せてもらいたいですね」

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©Yuki Suenaga

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