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千賀滉大の“微妙な状態”で問題が…侍ジャパン、崖っぷちの試合では誰が先発に? 秘密兵器は独特なタイミングのあの投手!?
posted2021/07/17 11:03
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
東京五輪の野球日本代表は7月28日、福島県営あづま球場でドミニカ共和国との初戦を迎える。
当初、発表されたメンバーから巨人の菅野智之と中川皓太両投手と広島・會澤翼捕手の3人がコンデイション不良で代表入りを辞退。代わりにソフトバンク・千賀滉大、日本ハム・伊藤大海両投手に阪神の梅野隆太郎捕手が選出された。特に楽天・田中将大と共に「投手陣の柱に」と日本代表・稲葉篤紀監督が期待していた菅野の辞退で、投手編成は大幅な軌道修正を余儀なくされているのが現実だ。
稲葉構想では当初は菅野と田中の2人が、オープニングステージで28日の開幕戦と31日のメキシコ戦に先発。それぞれが準決勝と決勝に回るローテーションが有力だった。
しかし菅野の辞退で、先発構想そのものの根本的な見直しが強いられている。
稲葉監督「とにかく山本の使い方がポイント」
順当なら2019年のプレミア12で世界一の立役者の1人となり、今季の状態もいいオリックス・山本由伸投手を菅野のところにはめ込み、開幕戦と準決勝の先発に起用する案が有力だ。ただ、今大会はノックアウトステージと呼ばれる敗者復活制度を組み込んだ複雑なトーナメント方式を採用。そのため従来の国際大会の投手起用では収まらない部分が出てきている。
「先発なのか、リリーフなのか……とにかく山本の使い方がポイントだと思っている」
6月16日の代表発表直後に稲葉監督が語っていた言葉だ。
もちろんトーナメント方式の大会では、準決勝に一番信頼できる投手を起用するのは1つの基本戦略となる。だからこそ当初は菅野にその役割を託すことが考えられていたし、その代役に山本をというのも当然の考えだ。
しかし、東京五輪では準決勝と同時に、実はもう1つ、ポイントとなる試合がある。