プロ野球亭日乗BACK NUMBER
千賀滉大の“微妙な状態”で問題が…侍ジャパン、崖っぷちの試合では誰が先発に? 秘密兵器は独特なタイミングのあの投手!?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/07/17 11:03
7月6日、左脚のケガからの復帰戦となったロッテ戦に先発した千賀だったが、自己最多の10失点で降板した
“秘密兵器”となる投手とは?
理想のシナリオで勝ち進めば決勝戦までに必要な先発は3人。
一方、最悪のケースはオープニングラウンド2位通過で、ノックアウトステージ初戦を勝ちながら、次の3位同士の勝者との試合で敗れたケースだ。この場合は敗者復活戦の1番下から勝ち上がっていくために、8月1日から5連戦を勝ち上がり、決勝戦を含めると6人の先発投手が必要となってくる。
登録の投手は全部で11人。
その中で先発候補は田中、山本、千賀の3人に中日・大野雄大、広島の森下暢仁と伊藤を加えた6投手が有力。となると最終的に千賀の状態が上がらない場合には、その中から大野か森下がノックアウトステージ初戦を任される可能性が高い。
ただ、もう1人、秘密兵器となる投手がいる。
阪神のサブマリン・青柳晃洋投手だ。
壮行試合でどう選手を見極めるのか
稲葉監督は「先発、リリーフ両方できる。リリーフでロングができる投手はプレミア12を見ていても貴重。夏場のデーゲームでは先発はプレッシャーもあって疲れるのも早くなるし、2番手は重要」と“第2先発”的な位置付けという考えだ。
しかし「対戦すると2、3試合タイミングがおかしくなる」と巨人の坂本勇人内野手や広島・長野久義外野手がこぼすように、独特なタイミングは相手打線にダメージを与える役割も担える存在。先のプレミア12でも同じアンダースローのソフトバンク・高橋礼が活躍したように、国際試合でも初見の打者にはタイミングがとりづらい。
今季、左打者への被打率が2割9厘で右の2割2分8厘より低い(7月16日現在)など、実は左打者も苦にしないことから、ひと回りオープナー的に先発起用するには面白い存在かもしれない。
開幕まであと約10日。チームは19日から仙台で直前合宿を張り、24日には楽天と、25日には巨人と壮行試合を行う。
「こうだと決めつけずに選手を起用したい」
こう語る稲葉監督が直前合宿と2つの壮行試合でどう選手を最終的に見極めるのか。金メダルへの道は、そこから始まることになる。