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三都主アレサンドロの妻が明かす“結婚とブラジルでの子育て”「私に何も言わないで両親と」「長男とアレックス、お父さんも16歳で…」
posted2022/07/03 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kazuaki Nishiyama
三都主アレサンドロの妻・直美さんには、以前、一度だけ会っていた。2015年初め、三都主がブラジルへ戻ってきて地元のクラブへ入団した際にインタビューしたのだが、そのときに少しだけ話をした。
その後、三都主を通してインタビューを申し込んだことがあったが「直美はメディアとは話さないから」とあっさり断わられた。また、日本のメディアへのコメントを見た覚えがない。
それでも――ブラジル出身のプロ選手と交際し、彼が日本国籍を取得。さらに自国開催のワールドカップに出場したのを見届け、2003年に結婚。4人の子供に恵まれ、2015年からマリンガで彼の活動をサポートしながら、子育てをしている。その決して普通ではない経験に、強い興味を覚えた。
今回のマリンガ取材に先立ち、三都主を通じて再びインタビューをお願いしていたが、確約は得られていなかった。それが、6月12日の試合前にスタンドで偶然会って直接、インタビューの意図を説明し、幸いにして承諾してもらえた。
この日、直美さんに会う前に三都主サッカーアカデミーの事務所で三都主と出くわしたら、「沢田さん、よく直美が承知したね」と驚いていた。「どれくらいの時間、話すつもり?」と聞かれたので「できれば2時間くらい」と答えると、「直美が2時間も話すはずがない。1時間だって無理じゃないかな」と笑われた。
三都主と知り合った時期と経緯は?
――今回は、インタビューを受けていただき、本当にありがとうございます。お聞きしたいことはたくさんあるのですが、まず、これまで日本のメディアへのインタビューを受けてこなかった理由を教えていただけますか?
「とりたてて大きな理由があるわけではないんです。私は特に変わった体験をしているわけではないと思っており、お話しする意味は特にないと考えていたからです」
――なるほど。ただ、昨日も申し上げたように、僕は直美さんが非常に貴重な経験をされており、そのことを日本のスポーツファンにも伝えることは大きな意味があると考えて今回のインタビューをお願いしました。まず、三都主と知り合った時期と経緯を教えてください。
「私は静岡市出身で、高校卒業後、会社勤めをしていました。知人の紹介で、1999年、アレックスと会いました。彼が22歳で、JリーグMVPに選ばれる前のことです」
――彼の第一印象は?