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【セパ格差を記録で考える】先発重視の投手起用は“時代遅れ”か 救援防御率と見比べると、ある傾向が
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/01/25 11:02

【セパ格差を記録で考える】先発重視の投手起用は“時代遅れ”か 救援防御率と見比べると、ある傾向が<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

巨人は2020年先発防御率がリーグ1位の一方で、救援防御率は3位だった

 セ・リーグは2020年、巨人の大竹寛や田口麗斗、阪神の能見篤史(今季からオリックス)、DeNAの井納翔一(今季から巨人)のように、先発から救援に配置転換された投手が散見される。また広島の薮田和樹、巨人の桜井俊貴のようにシーズン中に先発から救援に転向する例もある。

 セの指揮官はいまだに「先発で振るわなかった投手を救援に回す」認識があるのではないか。

パは一度も先発したことがない宮西らが

 一方でパでは救援のスペシャリストが数多くいる。NPB史上最多の358ホールドを誇る日本ハムの宮西尚生は、734試合オール救援、一度も先発したことはない。通算119セーブ、ロッテのクローザー益田直也も526試合オール救援、136セーブの西武、増田達至は422登板で先発は2だけ。こういう投手は、セットアッパー、クローザーのスペシャリストとして、使命感を持って投げている。

 昨年は楽天のセットアッパーだった高梨雄平が、シーズン中に巨人に移籍して目の覚めるような活躍をしたが、セ・パ救援投手のレベルの差が端的に表れたと言えるだろう。

2020年日本シリーズの象徴的な用兵

 記憶に新しい日本シリーズでのソフトバンクのスイープ(4連勝)も、セ・パの投手用兵の差が出たと見ることができる。

 先発優先の巨人は先発投手が打ち崩されると、以降は先発よりレベルの落ちる救援投手が出てくることになる。しかしソフトバンクは、たとえ先発が打ち込まれても――中継ぎで力のあるセットアッパーが次々と出てきて、試合を立て直すことができる。

 昨年の日本シリーズでいえば、巨人は初戦で絶対的なエースの菅野智之が6回自責点4で降板した時点で、勝機がなくなっていたという見方もできる。とはいえ原辰徳監督は救援陣の薄さを認識していたようだ。そこで先発二番手の戸郷翔征を中継ぎに回したが、付け焼刃で対応できるはずもなかった。

パの「救援重視」は、最近始まったトレンド?

 実はパ・リーグの「救援重視」は、つい最近始まったトレンドだ。

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