広島経済大・柳田悠岐も“想定外”だったが…プロでの急成長にビックリしたのは「あの青学大OB、小柄な投手」

　アマチュアを中心に長く野球を見ていると、アマチュア時代の「想定」をはるかに超える活躍に驚かされるプロ野球選手がいるものだ。

　近年、そういう切り口でよく取り上げられるのが、ソフトバンク・柳田悠岐外野手。だが、柳田以外でも、「さすがだなぁ……」とプロ入り以降のその努力と奮闘に唸らされる選手が何人かいる。

大学時代から“天井を向いてスイング”

　もちろん柳田選手の広島経済大当時のことも鮮明に覚えている。

　全日本大学野球選手権の東京ドーム、2010年6月だったと思う。チームは3年連続の出場で、柳田も3回目の出場なのに、私は「広島経済大・柳田悠岐」の存在を知らなかった。

　その時まで、リーグ戦で5季連続ベストナイン、首位打者3回という「ミスター・広島六大学リーグ」だったことも知らなかったのは、今から思うと、恥ずかしいかぎりだ。

　大会ガイドブックのメンバー表に記載されていたサイズが、確か「187cm85kg」ぐらいだったと思う。その数字の“字づら”に、まずピンと来た。

　4番打者として出てきた柳田は、均整抜群のユニフォームのシルエットと、天井を向いてスイングするような独特で豪快なスイングスタイルが印象的だった。

広島経済大時代の柳田悠岐　©Sankei Shimbun

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　高校は「広島商業高」――送りバントと進塁打とスクイズのイメージが強かったから、大型でもそういう「野球」をするタイプなのか、と想像していたが、まったく逆を突かれて、余計に驚きが大きかったのだと思う。

「そこまで振らなくても……」と思うようなフルスイングだった。しかし、長い両腕が体に巻きつくようにしなって、バットヘッドが遅れて振り出され、それでもインパクトの瞬間にはヘッドがグイと投手に突き刺さるようなスタイル。あれだけ決然と振れるということは、タイミングの合わせ方も上手いはずだ……とキラリと光るものを感じた。

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