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アーセナル?リバプール? 日本で1番人気のプレミアクラブは…都道府県別に調べてみた<マンU好きの2県も…>
text by
山中拓磨Takuma Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2020/11/21 11:01
今年1月にリバプールに加入した南野拓実。ここ数年日本ではリバプールの検索数が急上昇している
その2012年にチェルシーはCL優勝を果たしているのだが、欧州最高峰のトロフィーを獲得しても、その日本での注目度の上昇は、日本代表クラスの選手の移籍による効果に比べれば微々たるものとなっている。
近年のCL優勝とリーグ優勝により、世界で最も注目されているサッカークラブとなり、日本でも人気を誇るリバプール。検索数が2020年に入りここまで伸びているのには、南野拓実の移籍も大きく関係しているに違いない。
都道府県別の人気クラブも調べてみた<マンU好きの2県とは…>
さて、過去5年間(2015/10/01~2020/10/30)において、各都道府県ごとに最も検索されたプレミアリーグのクラブは以下の通りとなっている。
直近の5年間で見るとやはりリバプールが飛ぶ鳥を落とす勢いで、元々強いアーセナルとの二強体制、そしてそこに割って入るマンチェスターユナイテッド王国の島根と福井、という構図となっている。沖縄もリバプールとユナイテッドがほぼ同率1位のような割合だ。
東京・大阪・愛知・福岡を押さえて都心部で強いアーセナル、そしてそれ以外の地域で強いリバプール、という傾向があるのも興味深い。これが奇遇にも首都ロンドンを本拠地とするアーセナルと、そこからかなり外れた北部のリバプール、という英国内の関係と対応しているのも面白い所だ。
鳥取県ではリバプールがとんでもなく強く…
当然と言えば当然なのかもしれないが、名古屋グランパスの元監督アーセン・ベンゲル、愛知県出身の宮市亮が在籍と何かとアーセナルにゆかりのある愛知県ではアーセナルの人気が圧倒的だった。
また、なぜか鳥取県ではリバプールがとんでもなく強く、レアル・マドリーやバルセロナといったプレミアリーグ以外のクラブを含めても、リバプールが最も検索されていた。
各都道府県で最も検索されたクラブのみを地図に示しているので図には表れていないが、エリアによってはチェルシーが2位や3位に食い込むところは結構あり、特に、和歌山県・京都府・三重県あたりの近畿地方ではかなりの勢力を誇っている。
ちなみに、これと同じ地図を2010年のデータで塗り分けるとほぼアーセナル一色になり、逆に2019年など最近のデータを用いると、リバプール一色になる。
そういった意味では、アーセナルから日本とつながりのある人物が去り、南野拓実擁するリバプールが日本で最も検索されているクラブにとって代わりつつある、という過渡期に現在はあるのかもしれない(ちなみに、他のスポーツクラブとの比較で見ると、リバプールやアーセナルは川崎フロンターレや横浜F・マリノスといったJ1クラブと検索数は遜色ないレベルにあるが、やはりプロ野球には全くかなわず、読売ジャイアンツはこれら全クラブを足してもかなわないくらい検索されている)。
もちろん今後の成績次第でもあるが、このままリバプールが日本で最注目されるクラブとしての立場を確固たるものにするのか、それともアーセナルやマンチェスター・ユナイテッドの復権はあるのか、あるいはチェルシー、マンチェスター・シティ、トッテナム、はたまたエバートン、レスターなど第4のクラブが現れるのか、プレミアリーグのタイトル争いと並んでこちらにも注目していきたい。