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ついに再開、テニスのワールドツアー。
欧米でできてアジアでできない理由。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2020/08/11 20:00
ワールドツアーの再開初戦となったパレルモオープンの決勝。フィオナ・フェロ(フランス/写真右)がキャリア2つ目のタイトルを獲得。
やはり欧米の選手がいてこそのツアーなのか。
現在のWTAランキングではトップ10のうち5人、トップ20のうち12人がヨーロッパの選手である。アメリカとカナダを括った北米勢はトップ20に5人。トップ20以外に元女王とかグランドスラム・チャンピオンとか、いわゆる「美女プレーヤー」といったスター選手も少なくない。
欧米に属さない選手といえば、トップ10ではオーストラリアのアシュリー・バーティと日本の大坂なおみだけ。
トップ20にはカザフスタンの選手が1人加わるが、ロシアから国籍を変更した選手が多いカザフスタンを「アジア」に含めることにもやや抵抗がある。
テニスは南極大陸を除く全ての大陸で男女ともに大会を持つワールドツアーであり、特にアジアにおいての土壌の広がり、選手たちの世界への進出ぶりも目覚ましかった。しかし、欧米の選手がいてこそのアジアのテニス、世界に抱く夢。こうなってみれば、歴然とした格差を感じずにはいられないツアーの再スタートである。