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「あなたはわかってない!」大坂なおみ物議の“カモン問題”は何が悪かった? 超独創的ファッション、結局棄権…「お騒がせ」でも全豪にかけた思い
posted2026/02/05 11:02
今季四大大会初戦の全豪オープンにド派手なウェアで登場した大坂。だが不本意な騒動の末に棄権となってしまった。彼女の全豪にかけた思いとは?
text by

山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Getty Images
どうということのない出来事だった。当事者が、大坂なおみでない他の誰かだったなら。
先週日曜日に幕を下ろした全豪オープンの序盤戦。大坂は世界ランク41位のソラナ・チルステアとの2回戦を6-3、4-6、6-2で突破したが、勝負がついてからのストーリーで世間を騒がせた。
ベテラン選手が大坂にいら立ったワケは……
チルステアの敵意剥き出しの握手を気にした大坂が声をかけると、振り返った35歳のベテランは「あなたはフェアプレーというものがわかっていない」と罵ったのだ。グランドスラムデビューからちょうど10年、大坂はかつてない経験に驚き、当惑の笑みを浮かべるしかなかった。
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どのような勝ち方であれ、負け方であれ、最後は互いに健闘を称え合うテニスの握手シーンは大抵清々しいものだが、ときには相手への不満や自分自身への苛立ちがネット越しに露わになり、素っ気ない接触になったり、稀に喧嘩腰の対峙を迎えることもある。
チルステアが何のことを言っているのかは想像できた。試合中、大坂のある行為に関して主審に抗議していたからだ。大坂が4-2とリードしていたファイナルセットの第7ゲーム、サーブはチルステア。30-30の場面でファーストサーブがフォルトになると、大坂は自分を叱咤激励するように「カモン!」をふたつ続けて発した。
まだセカンドサーブ用の球をボールパーソンから受け取ってもいないタイミングだったが、いったんボールを地面につき始めたチルステアは不意に顔を上げ、主審に「今のはいいの? サーブ間にカモンと言ったけど、いいの?」と明らかに怒りを込めて聞いた。女性審判は「サーブのモーションに入る前だからかまわない」と問題視せず、多少食い下がったチルステアもあきらめてプレーを続行。結局このゲームで大坂が決定的なブレークに成功した。

