フランス・フットボール通信BACK NUMBER
サッカー界で最強の影響力を持つ男!?
アル・ケライフィが語る石油王の思考法。
posted2020/07/26 08:00
text by
パスカル・フェレPascal Ferre
photograph by
Franck Seguin/L'Equipe
『フランス・フットボール』誌5月19日発売号の特集は《世界で影響力を発揮する50人》である。担当するクリストフ・ラルシェ記者から筆者(田村)も相談を受けたこの企画で、1位となったのは、ナスル・アル・ケライフィ(パリ・サンジェルマン会長/PSG)だった。投票など客観的な評価によるものでもなく、かなり手前みその結果と言えなくもない。だが、PSG会長であるだけでなく、BeINスポーツ(テレビ局)社長、さらにはカタール・スポーツ財団会長でもあるアル・ケライフィが、2011年以降世界のサッカー界にそれだけ大きな影響力を持ちその力を行使してきたことは間違いない。
そのアル・ケライフィを、編集長のパスカル・フェレがインタビューした。ここにそのほぼ全文を掲載する。必ずしも質問と答えがかみ合っておらず、その傾向は後半に進むにつれ大きくなるが、伝わってくるのは大きな責任を引き受けたリーダーとしての矜持であり決意である。
ちなみにアジアからは19位に習近平(中国国家主席)、21位にマンスール・アルナイヤニ(UAE副首相、シティ・フットボールグループを統括)など9人がランクインし、日本の三木谷浩史・ヴィッセル神戸会長も40位に入っている。
監修:田村修一
「私はトップ5に入りたくはなかった」
――トップ5に選ばれた面々(1位から順にアル・ケライフィ、クリスティアーノ・ロナウド、ジャンニ・インファンティーノ、ユルゲン・クロップ、ジョルジュ・メンデス)を見てどんな感想を抱きましたか?
「難しい質問だ。クラブのオーナーや会長、連盟の会長、監督、選手、それにファンも今は大きな影響力を持っている。最終的に彼らだけが、本当の変革を引き起こす現実的な活動に方向性と基盤を与えることができる。
私はトップ5に入りたくはなかったし、名前が挙がらなかった人たちの気分を害したくない。
例えばアレクサンデル・セフェリンなどは、UEFA会長に就任して以来、とても大きな影響力を行使している。彼はヨーロッパと世界のサッカーが強く求めているひとつの力を具現している」