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再開目前プレミア、CL争いが風雲急。
トッテナムに心強すぎる3人が復帰。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/06/11 07:00
プレミアリーグ再開に向かうソン・フンミン(左)とハリー・ケイン(右)。彼らはどんな闘いを見せてくれるだろうか。
帰ってきた最強の3人。
ケインとシッソコ、ソンのコンディションが仕上がり、再開第1戦となるマンチェスター・ユナイテッド戦に間に合う見通しだ。彼ら3人がいるだけで、対戦相手はプレッシャーに苛まれる。
ケインは誰もが認めるワールドクラスのゴールスコアラーで、ソンは抜け目のないスピードスターだ。シッソコは規格外のフィジカルで、マークすべき人物を的確、かつ無慈悲に潰す。
今シーズンのトッテナムは全体が連動せず、前線がプレスをかけても2列目、最終ラインが反応しないため、いたずらにスペースを提供するケースも少なくない。したがって、チーム全体がコンパクトをより意識しなくてはならないが、ケインをはじめとする主力の復帰で現場は勇気づけられる。対戦相手は警戒の色を強め、消極的になる。
さらに主力3選手の復帰はルーカス・モウラやデル・アリ、ハリー・ウィンクスの負担を軽減し、中盤と前線の駒の有効活用につながっていく。
CL出場は不可能ではない。
本稿執筆時点で4位チェルシーとは7ポイント差。残り9試合。残留という大きなモチベーションを持つボーンマス、ウェストハム、さらにはレスター、アーセナル、エバートンなど、前述したユナイテッド戦以外も強敵ばかりだ。しかし、トッテナムの闘志は中断期間も衰えていない。
「我々にはサポーターの皆さんに喜びを提供する義務がある」(モウリーニョ)
「チェルシーとのポイント差を踏まえると、トップ4入りの条件は残り9試合で7、8勝だろう。確かに厳しいノルマかもしれないが、我々はプレミアリーグに専念できる。チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグが残っているクラブに比べると、肉体的には大きなアドバンテージだ」(ケイン)
彼らのポテンシャルを踏まえると、残り9試合で7、8勝というノルマは、難しいが不可能ではない。