欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
プレミア史上最強チームはどこだ。
マンC、リバプール、それとも……。
posted2020/04/08 11:30
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
人は、最強論が大好物だ──。
日本プロ野球最強は1950年代の西鉄ライオンズか、長嶋茂雄と王貞治を擁し、V9を達成した当時の読売ジャイアンツか、広岡達朗に率いられた1980年代前半の西武ライオンズか、あるいは現在の福岡ソフトバンクスホークスか。
ボクシングならマイク・タイソン、フロイド・メイウェザー・ジュニア、シュガー・レイ・レナード、井上尚弥などが挙げられ、相撲では双葉山、大鵬、北の湖、千代の富士、二代目貴乃花。個人的には白鵬ではない。
黄金の中盤にクライフ、リバプール。
サッカーでも最強論議は華やかで、ブラジルはペレ、トスタン、ジャイルジーニョ、リベリーノを擁した1970年のチームか、ジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ、いわゆる“黄金のカルテット”が世界を魅了した'82年のチームが、いまでも強く支持されている。
1974年のオランダ代表も素晴らしかった。
“空飛ぶオランダ人”ことヨハン・クライフ以外にも、ヨハン・ニースケンス、ヨニー・レップ、ビム・ファンハネヘム、ルート・クロルなどなど、綺羅星のごときスター軍団だった。彼らが披露したフォアチェックは、近代フットボールにも多大な影響を及ぼしている。
さて、プレミアリーグ最強チームはどこだろうか。
現時点で27勝1敗1分け。今シーズンのリバプールは攻守ともに隙がない。ときにヘビーメタル、ときに転調してメロディアスに、ユルゲン・クロップ監督はチームを一段上に引き上げた。昨シーズンまで指摘されていた精神的な脆さも消え、いまやプレミアリーグの盟主といっても過言ではない。