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プレミア史上最強チームはどこだ。
マンC、リバプール、それとも……。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/04/08 11:30
難攻不落の守備組織を構築した当時のチェルシー。ギラついたモウリーニョ監督も懐かしい。
どっちのマンチェスターが強い?
一昨シーズンのマンチェスター・シティも強かった。総得点、勝ち点、勝利数、得失点差などでリーグ記録を更新し、そのハイレベルを嫌というほど見せつけている。なにしろ、2位マンチェスター・ユナイテッドとは19ポイントという大差である。1強、その他大勢の図式が出来上がった。
「一昨シーズンのシティはたしかに強かった。今シーズンのリバプールも歴史に残るチームだ。しかし、2008-09シーズンのユナイテッドこそが史上最強だ」
こう言ってはばからないのが、ユナイテッドのOBウェイン・ルーニーである。
クリスティアーノ・ロナウド、カルロス・テベス、ダレン・フレッチャー、マイケル・キャリック、リオ・ファーディナンド、エドウィン・ファンデルサール、そして、ルーニー。勝って当然の名手揃いだ。
リーグ戦21回のクリーンシートと華麗なるムービングフットボールは、サー・アレックス・ファーガソンがいまでも「史上最強」と自画自賛するほどの好チームである。
無敗優勝のアーセナルも凄かった。
2003-04シーズンのアーセナルも忘れてはいけない。
インビンシブルズ……無敗優勝は永遠に語り継がれるに違いない大記録だ。一昨シーズンのシティも今シーズンのリバプールも成しえなかったのだから、16年前のアーセナルも最強候補のひとつではある。ところが、OBのエマニュエル・プティはこう言った。
「当時のアーセナルよりも、今シーズンのリバプールの方が圧倒的に強い。意欲と集中力にあふれ、控えの選手も含めて全員が才能豊かだ。特別なチームだよ」
アーセン・ベンゲル体制下のアーセナルに貢献した名MFに証言されると、頷くしかない。
インビンシブルズといわれたアーセナル、2008-09シーズンのユナイテッド、さまざまな記録を塗り替えたシティ、そして今シーズンのリバプールは、いずれも攻撃的なチームだった。
しかし、守備的なアプローチで一世を風靡したのが、2004-05シーズンのチェルシーである。