球体とリズムBACK NUMBER
「明朝に解任されるぞ!」“顔を傷つけた名将”グアルディオラが完敗後、ヤジに奇妙な笑顔で…“7戦6敗”無敵マンC絶不調のナゼ「それが現実だ」
posted2024/12/03 17:21
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Carl Recine/Getty Images
盛者必衰のことわり──。
あれほど強かったマンチェスター・シティがまったく勝てなくなった現状を見ているうちに、そんな言葉が頭に浮かんだ。現地イングランドでも『いかなる帝国も永遠には続かない』(ガーディアン紙)など、似たようなフレーズがヘッドラインを賑わせている。
ブライトン戦後、代表ウィーク明けの逆襲を誓ったが
2008年にアブダビの投資会社に買収され、2016年にペップ・グアルディオラを監督に迎えたクラブは、過去7シーズンで6度もプレミアリーグを制し(昨季、イングランド1部リーグ史上初の4連覇を達成)、一昨季にはクラブの宿願だったチャンピオンズリーグを初制覇。マンチェスターに水色の王朝が築かれ、あたかもそれは難攻不落に見えていた。
ところが、10月26日のサウサンプトン戦(1-0の勝利)を最後に、白星から見放されるようになった。10月30日のリーグカップでトッテナム・ホットスパーに1-2で敗れると、そこからボーンマス(リーグ戦:1-2)、守田英正が所属するスポルティングCP(チャンピオンズリーグ:1-4)、三笘薫擁するブライトン&ホーブ・アルビオン(リーグ戦:1-2)に負けて4連敗。筆者はこのブライトン戦を現地アメックス・スタジアムで取材し、試合後の記者会見でグアルディオラ監督がこう話したことを覚えている。
「(代表ウィークに入るため)次の10日間で(不調の要因を)精査したい。離脱している選手も戻ってくるはずだし、そうなれば、また我々らしい戦い方ができるはずだ」
プレミア前人未到の5連覇の可能性は限りなくゼロ
だがそうはならず、11月23日のリーグ戦再開後初戦となったトッテナム・ホットスパー戦では0-4の大敗。3日後のチャンピオンズリーグのフェイエノールト戦では、3点を先行する必勝の展開となりながら、終盤の15分間に3失点を喫してドロー。そして先週末12月1日の大一番、リバプールとのアウェー戦でも、好調の首位チームに状態の違いを見せつけられ、0-2で敗れてしまった。
これで公式戦未勝利は7試合連続(1分け6敗)となり、リーグ戦にかぎれば4連敗(どちらもグアルディオラ監督にとって初めての経験だ)。11月に勝ち点をひとつも得られなかったチームは、王者シティだけだった。