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横浜F・マリノスの密着ドキュメント。
主将・喜田拓也「仲間の違う一面が」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byKYODO

posted2020/04/01 11:40

横浜F・マリノスの密着ドキュメント。主将・喜田拓也「仲間の違う一面が」<Number Web> photograph by KYODO

昨季、15年ぶりのJ1優勝を果たした横浜F・マリノスのイレブン。キャプテンの1人、喜田(中央)はシャーレを掲げて喜んだ。

試合に出ていない選手の情報も発信。

――なるほど。確かに総集編のなかでは出場機会の少ない選手たちもチームに大きく貢献していることが伝わってきます。

「試合に多く出ている人は、仲間のために応援してくれる人のために頑張ろうと思うじゃないですか。でも逆にあまり試合に出られていない選手が、出ている選手のために頑張ろうって取り組むことは凄く難しいと思うんです。

『THE DAY』では試合にあまり出ることができていない選手の練習に対する姿勢も発信してくれています。試合にはみんなが並んで、タッチで出ている選手を送り出してくれます。映像を通じて、多くの人にそういったことを分かってもらえるのはうれしいですよね。

 僕たちは11人、ベンチを含めて18人で戦っているわけじゃない。選手のために尽くしてくれるスタッフも合わせてチーム全員で戦っているので。

 僕らの姿勢がファン、サポーターや試合を見てくれる人に『F・マリノスはみんなで戦っているんだな』と伝わると、応援にもそういう気持ちが上乗せされて僕らに返ってくる。そういう効果も感じることができました」

苦しさの共有と信頼関係。

――「ローマは一日にして成らず」ではないですけど、急にチームの結束が強くなるわけじゃない。まさに「THE DAY」、一日一日の積み重ねがあってこそ。

「みんなの姿勢、みんなの協力には本当に頭が下がる思いでした。キャプテンのタカくん、ジュンくん(天野)と共有したことは、チーム全員で共有していました。

 だからキャプテンがみんなより上乗せして頑張ってきたかと言ったらそうじゃない。みんなが同じように頑張っていくことで結束が強まっていくような感覚がありました」

――映像のなかで喜田選手が練習後に「きつい」と語った後に、確かこのように言葉を続けていました。「みんなできついやつ(練習メニュー)をやって盛り上がるのがいい」と。

「1人できついことやると、本当にきつい。でも仲間と一緒だったら乗り越えられることがたくさんある。苦しい局面に直面したときも、8月に3連敗を喫したときも、みんなで乗り越えられた。

 映像のなかのものがすべてじゃなくて、映っていないいろんな場面もあります。本当に苦しいときに共有できているから、強い信頼関係が生まれると思うんです。それも日々の練習から積み上げていったものがあるから」

【次ページ】 「いつも」をつくるのは、日々の積み重ね。

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